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それから、一瞬で近くにいた何かを消し飛ばす。

凄いなぁ……私には到底無理だろうな。

なんて考えて、自己嫌悪に陥る。

完璧で理想的なヒーローには程遠い自分の姿が嫌になる。

そんな思考になって表情が曇った私に気が付いたヒーローが
私の頭にぽす、と手を置いて優しい声で言った。

「何かもわからなくて怖かったはずなのに
 勇気をだして立ち向かって、全員を守った。
 並の人にはできないことです。誇ってください。」

少しだけ懐かしさを感じるその声で紡がれる言葉を聞いて、
ひとの温かさに触れて、涙が止まらなくなった。

なんで懐かしいのかはわからないけど、
なんとなく直感的にそう感じたんだ。

急に泣き出した私を見て、ヒーローに困惑の表情が浮かぶ。

迷惑かけてる、早く泣き止まなきゃ。

そう思って目に手をやるも、意に反して零れ落ちる涙。

自分でも制御不可能なそれは、止まるところを知らない。

『ご、ごめ、なさ、め、わくかけて、ごめん、なさい。』

情けない声が出る。やっぱり私にヒーローは無理だ……

「え、えと、どうしたら……と、とりあえず安全なとこに
 行きましょう。立て……なさそうですね。
 すみません、ちょっと失礼します。」

悶々と思考を巡らせる私の近くでおろおろしていた
ヒーローは、そう言って私を横抱きした。

びっくりして涙がとまり、ついでに声もでなくなる。

おまけに身体もうまく動かせなくなった。

暫く硬直した後、我に返って恥ずかしくなる。

『え、ぁ、あの!私、1人で歩けます、大丈夫です!
 わ、私重いので、怪我してしまいます!』

降りようとしてもがくも、ヒーローはびくともしなかった。

「重くないですよ。むしろ軽すぎて心配になるくらいです。
 危ないので動かないでくださいね。舌噛んじゃいますよ。」

なんて言って、悪戯っ子みたいに笑う。

その笑みが凄く懐かしく感じて、何とも言えない感覚になる。

どこかで会ったことがあるのだろうか。

記憶があるのは中学生のあの事件の前まで。

それ以外は全く覚えてないから、
その前までに会ったことあるのかな。

何が何だかもうわからないけど。

でも一つ確かに言えるのは、私の中でそのヒーローが
目標というか憧れになったこと。

だからこそもっと頑張らないとって思った。


—-✄———-✄———-✄—-


言わないでしょそんな事ッ!って
某ちいさくてかわいいやつの青い猫さん
みたいになりながら書いてました……
 
 
 

▽→←▽



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琥琉深(プロフ) - 柳さん» わー!ありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです!応援に応えられるよう精一杯頑張ります! (1月30日 18時) (レス) id: 5bafad76df (このIDを非表示/違反報告)
- ひゃぁぁぁぁ!!!好き!!!(告白)敬語ほわほわ系の女の子好き……ッッ!!(扉を開ける音)応援させていただきます……!! (1月28日 23時) (レス) @page11 id: aa1dedb486 (このIDを非表示/違反報告)
琥琉深(プロフ) - ^ - ^さん» お返事遅れ申し訳ありません。嬉しいお言葉ありがとうございます!楽しんで頂けるよう精一杯頑張ります! (12月22日 16時) (レス) id: 5bafad76df (このIDを非表示/違反報告)
^ - ^(プロフ) - ヒーローたちの作品少ないのでめちゃくちゃ嬉しいです…😭😭更新楽しみに待っています🫶🫶 (12月18日 10時) (レス) id: 217d0834ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:琥琉深 | 作成日時:2023年12月16日 2時

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