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アカデミーに通い始めて暫く経った、何でもない日。
特別なことは何もない、いたって普通の日。
いや、アカデミーに通っている同期が卒業して少し経った日。
中学生の時の奴らがまた街にやってきた。
＊＊＊＊見習いとして、みんなを守らなきゃ。
そう思って、逃げ遅れた人を安全なところに誘導した。
動ける人は逃がした。助けが必要な人達も逃がした。
そして最後は自分。と思った矢先、視界が暗転した。
水の中にいるみたいに苦しくて、声が出せない。
脳を通して視界に鮮明に映ってくるあの記憶。
ひゅ、と喉が鳴って、前後不覚の状態になる。
わたし、今までどうやって息してた？
わからない。こわい。
くるしい。だれか、だれかたすけて。
足に力が入らなくて、その場にへたり込む。
縋るように伸ばした手は、虚しくも空を切る。
周りに人はもういない。私だけ。
一際大きな何かが、私の目の前に来た。
────あ、終わったなこれ。
瞬時にそう思った。逃げるのも現実的では無い。
私、ここで呆気なく死ぬんだなぁなんて呑気に考える。
───刹那、大きな何かが勢い良く吹っ飛ぶ。
「危なかったですね〜……大丈夫でしたか？
怪我……わ、結構酷いですね。」
なんて、間延びした声で颯爽と現れた誰か。
クロッカスの髪がゆらゆら揺れて、
宇宙色の蛸？烏賊？の触手がぐるぐると蠢いていた。
ありがとう、と言おうとして酸素を体内に取り込もうとする。
しかし、自分が今までどうやって息をしていたかが
わからなくなって、呼吸と言えない音が喉から
鳴り続けるばかりだった。
息、しなきゃ。死にたくない。
そう考えれば考えるほど息ができなくなっていく。
「大丈夫。大丈夫ですよ。僕に合わせて。
吸って、吐いて、吸って、吐いて……そう、上手。」
フローライトをはめ込んだような瞳が柔く細められる。
優しい声は、取り乱した私を落ち着けるには十分で、
段々と呼吸の仕方を思い出してきた。
「街の人たちを全員逃がしてくれたんですよね。
ありがとうございます。そして遅れてしまってすみません。
ただ、貴方が犠牲になる必要は全く無いですから、
次はちゃんと逃げて下さいね。」
そう言って微笑んだヒーローに、救われた。
『あ、りがとう、ございます。』
掠れていて、聞き取りにくかったはずなのに、
そのヒーローには届いていたらしい。
「ヒーローとして、当然のことなので。」
そう言って笑った。
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琥琉深(プロフ) - 柳さん» わー！ありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しいです！応援に応えられるよう精一杯頑張ります！ (1月30日 18時) (
レス) id: 5bafad76df (このIDを非表示/違反報告)
柳 - ひゃぁぁぁぁ！！！好き！！！(告白)敬語ほわほわ系の女の子好き……ｯｯ！！(扉を開ける音)応援させていただきます……！！ (1月28日 23時) (レス) @page11 id: aa1dedb486 (このIDを非表示/違反報告)
琥琉深(プロフ) - ^ - ^さん» お返事遅れ申し訳ありません。嬉しいお言葉ありがとうございます！楽しんで頂けるよう精一杯頑張ります！ (12月22日 16時) (レス) id: 5bafad76df (このIDを非表示/違反報告)
^ - ^(プロフ) - ヒーローたちの作品少ないのでめちゃくちゃ嬉しいです…😭😭更新楽しみに待っています🫶🫶 (12月18日 10時) (レス) id: 217d0834ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥琉深 | 作成日時：2023年12月16日 2時
