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ヒーローだから。
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ザッ……ザザッ……
『みな…まザッ…こん…んは〜
…チャルザザッ…レン…アカ…ミー……生
ヒー…ー見…い白ザザザ…珠華…す!』
高校生の春、とあるアカデミーに入学した。
みんなの理想や憧れになるには、こっちの方が
手っ取り早いしいいかなって思って。
『本日もよろしくお願い致します。』
そこからはずっと、水の中にいるみたいな感覚で。
『今日はフォームに来たものを読んでいきます。』
息が苦しくて、意識がぼんやりして、はっきりしない。
『最初は……これにしましょう。』
そんな中でも、絶対に忘れちゃいけないことが一個。
『″珠華ちゃんが目指しているものは何ですか? ″
えー……?何でしょう……完璧な****……でしょうか?』
完璧な****という存在になること。
これは日記の一ページ目に書いてあるから間違いない。
****になりたい。いや、ならなければならない。
そんな使命感が頭を支配している。
言い終えると同時に頭に走った激痛。
痛む頭の中には、大した記憶はないのに。
あの一件から、記憶が一定の期間で消えるようになった。
大体一週間くらいたつと、全てなかったことになる。
新しいことをしても、前にやっていたらしいことをしても、
なくした記憶が戻ってくることはない。
配信で話したはずのことも、覚えていない。
1日の終わりに書くことにした日記のおかげで、
今はなんとか″白泉珠華 ″を続けられている。
ただ、いつバレるかわからない恐怖とずっと隣り合わせ。
少し、疲れてしまった。
こんな思いをするならいっそのこと辞めてしまいたい。
──辞めたくないって思ってるくせに、嘘ばっか。
恐怖に怯えるくらいなら全てを手放してしまいたい。
──手放す勇気もなければ、辞める覚悟もないでしょ?
打ち明けてしまえば、楽になれる気がする。
──嫌われることを何よりも恐れているのに?
自問自答のはずなのに、もう1人私がいるみたい。
私の言う全てを否定する私。
……いや、心の底で思っていることを正直に言う私。
忘れたくない。忘れたい。
相反する気持ちがぐちゃぐちゃになって、白泉珠華を形作る。
この役を演じることが最善だと思うことにした。
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琥琉深(プロフ) - 柳さん» わー!ありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです!応援に応えられるよう精一杯頑張ります! (1月30日 18時) (レス) id: 5bafad76df (このIDを非表示/違反報告)
柳 - ひゃぁぁぁぁ!!!好き!!!(告白)敬語ほわほわ系の女の子好き……ッッ!!(扉を開ける音)応援させていただきます……!! (1月28日 23時) (レス) @page11 id: aa1dedb486 (このIDを非表示/違反報告)
琥琉深(プロフ) - ^ - ^さん» お返事遅れ申し訳ありません。嬉しいお言葉ありがとうございます!楽しんで頂けるよう精一杯頑張ります! (12月22日 16時) (レス) id: 5bafad76df (このIDを非表示/違反報告)
^ - ^(プロフ) - ヒーローたちの作品少ないのでめちゃくちゃ嬉しいです…😭😭更新楽しみに待っています🫶🫶 (12月18日 10時) (レス) id: 217d0834ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琥琉深 | 作成日時:2023年12月16日 2時