【銀魂3z?】押してダメなら壊してしまえ【神威】

64話【堕天使】 ページ19

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勝った。買った。やったった。
購買戦争を勝ち抜いて、見事焼きそばパンをゲットしたった。人混みから脱して拳を掲げ立ち尽くす。「我が生涯に一片の悔いなし」的な感情で満ちている心の中だが、決して敗北した訳では無いのでこの場合適切な言葉は「やったった」である。

屈強でやんちゃで荒れている男達が揉み合う中で、押し潰されないように細い身体を利用してパンを取り、お金をポンと置く。これは中々至難の業だと思う。喜んでもらう為に神威さんの分まで買って、褒めてもらう為に神威さんの教室へと向かうと「わざわざ嫌われる為に来たの？」と明らかに嫌悪を剥き出しにされた。



「いえ！！一緒に食べようかな、と思い来ました！絶対嫌われたくないです！！」

「そりゃ嫌わないけどさ」

「ですよね！」

「うん、焼きそばパンを嫌いな人間なんか居ないから」

「あれ、焼きそばパンの話ですか？」



「私は？私は！？」と食い気味に尋ねると、数秒前までにあったパンを食べ終えて満足そうな神威さんが目の前に座っていた。「五つしか買えないのにしゃしゃるな」とソースを口の周りに付けて言う。

きっともう戻っても欠片すら残っていないだろう。
神威さんに会いに来た事を後悔しかしていない私は、改めてラオウの凄さを知る。あの台詞を死の間際に言い切れるなんて、かっこいい。
･･････そんな事はどうでもよくて。



「パン回し食いドキドキ間接キッス展開を求めてたのに･･･」

「関節決めなら喜んでするけど」

「取り敢えずそのソース舐めて良いですか」

「逆に何で了承すると思った？」



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