君を想うと。【オリジナル】 (ページ6)

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第三話…薫風卯月ページ6

転校してから、登校初日。
千音は望ヶ丘学園に向かった。
望ヶ丘(のぞみがおか)学園は私立の学園で、大金を払ってでも入学したい人が多い。
何故ならば、制服は無く私服で登校。更には校則が緩いのだ。

「……ここが望ヶ丘学園か」

校門を潜り、千音は職員室に向かった。
校長と教頭、担任に会った。
千音は3年B組だそうだ。
早速、担任と今日室に向かった。

「俺が入って来いって言うから、そのタイミングでなー」

千音は黙って、頷いた。
担任が教室に入ると、騒がしかった生徒達は一気に静まり返った。
千音のこの担任の第一印象はやる気のない怠けた先生だった。
中から、入ってこーいと声がした。
千音は扉を開け、教室の中に入った。
教室全体をぐるりと見回し、大体の人数を把握した。

「はい、自己紹介よろしくー」

「御子紫。_______御子紫千音。これから宜しくお願い致します」

お辞儀をひとつして、軽い自己紹介をした。
生徒達からは、暖かい拍手があった。

「……えーっと、席は…お、時雨の隣が空いてるな、そこに座れー」

千音は頷き、名前を呼ばれた生徒の元に行こうとした。_______が、手でも挙げてもらわなければ、場所が分からなかった。
千音が困っていると、先生が“時雨ー、手を挙げろー”と言った。
千音はその手を挙げてくれた、青年の隣の席に座った。
横をちらりと見て、見覚えがあるな…と思ったが口には出さなかった。

「……よろしく。時雨さん」