とある兄弟の物語 ２

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辰哉side


絶賛車内にイライラとグズグズの負のオーラが漂っております。わら


熱が出てても透析を受けないと上手く体を維持出来ないのが二人の現実


そんな二人の気持ちを上手く楽しい方向に持っていくのが俺ら家族の役目なんだけどさ、、わら


もうご褒美でつられる年じゃない二人は、どうでもいい話しで場を盛り上げる俺らを完全無視


話しのネタが底を尽き、沈黙の中信号待ちをしていると突然ガチャっとドアが開く音


パッと後部座席を見ると、ついさっきまで後ろで座ってた二人が来た道を走ってて


慌てて車を止めて二人を追いかけると、病弱児、増してや熱があるとは思えないくらいの速さで二人が走って逃げて、何故か昼間から2対2の追いかけっこ


何年ぶりかの全力疾走


明日筋肉痛で動けなくなるのが目に見えるが今はそんなんにビビってらんない


腎臓病に加え喘息を持っている二人が運動だなんてありえない


しかも全力疾走なんて言語道断


割と俺らも足が早い方ではあるけど、あと一歩のところで届かず


照だったら一瞬なんだろうな


てか、車から出る前に止めれるか。わら


だめだめ、そんなこと考えてる場合じゃない


しばらく追いかけっこをしてると、完全に体の限界が来た二人が足を止め、膝から崩れ落ちそうになったところをギリギリで支える


二人を抱えると、よく全力疾走出来てたなってくらいの熱と、最悪な顔色で、荒い呼吸の中に喘鳴が混じる


辰「翔太？涼太？苦しいな。頑張って病院行って苦しいのとってもうよ。抱っこで車に戻ろうな」


亮平と1人ずつ抱っこをし、車に戻ってる最中も泣きながら、やだ。と何回も繰り返し言ってる二人に自然と眉が下がる


車に戻って、少しリクライニングを下ろし二人を座らせる


病院にいる大と照に連絡を入れ車を発進させると、遂に翔太が声を出して泣き始め、それにつられて涼太も声を出して泣き始めた


体は思い通りに動かないし、熱でしんどいし、逃げても俺らにすぐ捕まるしで、気持ちがぐちゃぐちゃなんだろうな、、


とりあえず今の俺らが出来るのは、励ましの言葉ではなく、早く嫌なことを早く終わらせてあげること


でもこのいやいやな感じ、先が長い気がすんなぁ

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