このマンネ危険につき 。

＃８ ページ8

【 ＪＨ 】







あれは確か



1ヶ月半くらい前



季節は晩冬で

夜はまだまだ寒い日だった







その日俺は

ナムジュンと喧嘩して …



大人気なくも

宿舎を飛び出したんだよね



向かう当てなんてもちろんなくて

結局たどり着いたのは



事務所の練習室







「 はぁ 〜 … さむっ 」







突然飛び出したから

上着なんて持ってなくてさ



そりゃあ超寒くて 。笑



運良く持ってた小銭で

自販機に売ってた コ ー ヒ ー を買った







「 しょうがない … ここで寝るか 」







そんでさ

練習室で一眠りしようと思って



押し入れから毛布を取り出して

中に入ろうとした時







.







“ 〜〜〜 ♪ ”







「 え …… ？ 」







音楽と共に聞こえる

ダンスシュ ー ズが擦れる音



誰かいる ？

こんな夜中に ？







少し怖くなった



だけど

好奇心の方が勝って



チラッと中を覗いてみたんだ







そしたらさ







『 はぁっ … はぁ …… っ 』







踊ってんだよ



女の子が 、１人でさ



それも完璧な振り付けで







小柄な体に似合わない

ダイナミックな動き



女の子特有の

細やかでしなやかな動き



息を呑むような

鋭く 、飲み込まれそうになる目つき







「 すげえ … 」







それしか言葉が出なかったのは

初めてだったかもしれない



あんな子いたっけ … ？



暫くの間

コ ー ヒ ー が冷めてしまうのも忘れて

その子の踊りに夢中になってた







.







.







「 まだ踊ってる … 」







時間はもうすぐ夜中の３時



気づけば２時間が経っていた

その間 、女の子は踊りっぱなし



休憩もなしで 大丈夫なの ？







「 すごい体力だな …

…… って 、え ！？！？ 」







“ バタンッ ！ ”







反射的に

練習室に飛び入った



だって



女の子が急に倒れこんだから



何かあった ！？

これって救急車呼んだ方がいいやつ ！？







「 ちょっと ！

ねぇ ！大丈夫 ！？ 」







体を揺すってみても

目は閉じたっきり 、ピクリとも動かない



まさか … 死んでる … ！？



思わず耳を口元に寄せて

息をしてるか確認したよ



そしたらさ …







.







『 …… ぐぅ … ぐぅ … 』







「 は …… ？

ね 、て 、る … ？ 」







寝てたんだよな 、その子 。笑







*

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