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私を名乗る者からのメッセージは恐ろしいものだった。
"この内容を残してはいけない"
"私は念をかけられている"
"騙されて利用されている"
"記憶が消されている"
"家族は別にいる"
数日に一回、ごく短い文章で伝えられるそれは、にわかには信じかたい、しかし、つい数年前までの記憶のない私には嘘だあり得ないと一蹴できない内容であった。
そんなメッセージを信じるべきか、信じないべきか悩んでいる時に届いた一言が私をますます混乱させた。
"神父が犯人、敵だ"
怒りが押さえきれないかのような崩れた字で、いつもより深く刻まれたソレはあまりに残酷で受け入れられない内容であった。
そんなわけがない
真っ先にそう思った。
父は誰より私を大切にしてくれている。
忙しいだろうに、毎日私と話す時間を作ってくれているし、兄弟達には秘密で念の修行を行ってくれている。
それは単に才能があるからだけではないだろう。
自分が他人より優れた身体能力を持っているのはとっくに知っている。
だけど、別に私に金を稼がせたいなら念なんて教えなくても十分だ。
それなのに父は万が一があれば不安だからと念を教えてくれたし、私が新しい能力を身に付ければ目を輝かせて喜んでくれている。
だから、あの人が私を騙しているなんてあり得ない。あり得ないのだ。
"証拠がある"
父を信じたいという私の願いを打ち砕いたのは、やはり紛れもない私の文字だった。
◇
"書斎に盗聴器を用意して"
妙に現実的な指示に私は無心で従った。
信じた訳ではない、ただあまりに私を理解し尽くしたメッセージを無視できなかったのだ。
証拠があるというなら見せてみろ。
それが無意味なものと見抜いた上で不要と踏みつけてしまいたいという、そんな、ある意味祈りのような心情で私は街に出た際に盗聴器を買い、書斎の本棚の裏に張り付けた。
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あやこ(プロフ) - らぶらさん» らぶらさん、コメントありがとうございます。更新速度を上げていく予定ですので、是非最後までよろしくお願いします。 (4月22日 23時) (
レス) @page5 id: 7bf5456e4c (このIDを非表示/違反報告)
らぶら - 更新楽しみに待ってます！！ (3月30日 0時) (レス) @page3 id: 5fb95732a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやこ | 作成日時：2024年3月26日 0時
