過去94 ページ47
俺の観ている記憶の持ち主である男はその日から人が変わった。
元の彼は聖職者に相応しくおおよそ善良で(ただし信じやすい一面があってか、他の宗教団体と揉めることも稀にあったが)施設で保護していた子供達や近隣住民、信者達からは愛される、正しい人だと認識されるような存在であった。
だが、その日から完全に別人となった。
端から見る分には変わらないが胸のなかには常に黒く粘着質で、異常な執着心があり、なんとしても彼女を手に入れようとそれだけを考えるようになっていた。
彼は宗教団体の長をしていることもあってか、ツテも金も無理矢理用意してついに少女の正体を突き止めたのだ。
許されるはずもない願望
何かもを裏切る計画
それらを実行することに迷いはなかった。
◇
「ありがとうお嬢ちゃん、助かったよ」
予め他の人物の名義で暗殺依頼を出しておき、少女が仕事に現れる予定の場所で計画を実行した。
ターゲットは30分ほど遅れてくる。
その連絡を彼女が受け取ったのを確認し偶然を装い、時間が過ぎるのを待つ彼女の側で躓き、コンクリートと不釣り合いな色鮮やかなコイン達をわざとばらまいた。
拾って貰えるかどうかの不安はあったが、足の不自由な者を装ったおかげか、疑いも躊躇もなく少女はそれらを拾う。
「はい」
「あぁ、ありがとうお嬢ちゃん」
カラフルなコインをこちらの手に渡す時についそれらに興味を持つまで計画通りだ。
ここからはある意味賭けだった。
俺のものではない心臓がバクバクと脈打つ。
「珍しいだろ？このコイン
おじさんは、マジシャンでね、良かったらお嬢ちゃん賭けをしてみないかい？」
手のひらの上で赤のコインと青いコインを転がし少女に語りかける。
彼女は大きな目をそのコインに一度向けたがすぐに外した。
「いい、用事あるから」
「なにすぐ終る、ワンゲーム、簡単なものをしよう。僕が２つのコインを投げるから、右手にあるコインの色を当てるだけ」
「勝負にならないよ、私すごく目がいいから」
興味がないという動作の少女にしつこく話かける。
あえて善良で鬱陶しい人物を演じた。
助けた手前無視することもできないのか、少女ははやく会話を終わらせたいのかぶっきらぼうに返事をした。
「自信満々だね、じゃあとびきり大きなものを賭けよう。君が勝ったら僕の持ってるもの何でも幾つでも持っていていいよ」
「フーン、じゃあ命でも？」
「勿論」
投げやりの言葉に即答すれば驚いたように目が向けられる。
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カンナ(プロフ) - お返事ありがとうございます！嬉しいです、、応援してます！これからも楽しみに読んでいきます！ (3月28日 3時) (
レス) id: fc7530e511 (このIDを非表示/違反報告)
あやこ(プロフ) - カンナさん» カンナさん、コメントありがとうございます。 お待たせして申し訳ありません。part2やっと終わりました。part3は少しでも更新頻度を上げれるよう頑張りますので、是非最後までよろしくお願いします。 (3月26日 0時) (レス) id: 7bf5456e4c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 素晴らしすぎる作品に出会えました、、、この出会いに感謝しかないです．お忙しいとは思いますが、無理ない程度に更新していただけると全わたしが歓喜します。応援してます！ (3月18日 10時) (レス) @page46 id: fc7530e511 (このIDを非表示/違反報告)
あやこ(プロフ) - 天音さん» 天音さん、コメントありがとうございます。お待たせして申し訳ありません、ストーリーはまだまだ続きますので、是非最後までよろしくお願いします。 (3月9日 21時) (レス) @page46 id: 172db88909 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - とても素晴らしい作品に出会えたことに感動してコメントを残したくなりました。読んでいて時間を忘れるほどに面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。 (8月28日 20時) (レス) id: 2158ec844c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやこ | 作成日時：2018年11月13日 23時
