過去89 ※微グロ ページ42
そこからは記憶が曖昧だ。
「……ただ、僕から全てを奪ったのが、ねぇさんで、ねぇさんは全てを忘れて幸せに生きている。奪われたものを取り返す為にはねぇさんを殺さないといけないだって事だけが僕に流れ込んできた」
そこまで話すと、これで全てを話しきったとでも言いたげに少年は息を吐いた。
だが、こちらはそれだけでは到底満足できない。
「それのどこが、"神様"なんだ」
本能のままに質問を投げれば少年は短く呻いた後に再度口を開いた。
「神様だよ。僕に生きる道を示して下さった。ねぇさんを殺せば、僕は身体を取り戻せるんだから」
「今の状況のどこが、身体を取り戻せているんだよ？」
少年の四肢の半分はもう溶けきっていた。
少年はジンの言葉を受け確認するかのように自分の身体に目をやる。
そして、その瞳を大きく見開いた。
「え？……なにが、どうして
僕、え？なんで失って……いるんだ、身体はねぇさんの中にあるから、ねぇさんを刺したら戻れるって……」
これ以上白くなることはないと思えた少年の顔がさらに青白くなる。
ひきつった口許からこぼれるものは、しどろもどろの言葉と、異臭を放つ紫の液体。
「ねぇさん！ねぇさん！」
途端に錯乱したかのように少年は四肢をばたつかせ始める。
手足の末端は溶け、四肢に力も入らないのだろう。当然思うように動けない少年は芋虫のように這いずりながも、女の元へ這いずりよろうとする。
だがそれは、ついぞ届かなかった。
まるで、少年が女の元へたどり着くのを邪魔するかのように、途端に少年を襲う腐敗が加速したのだ。
手足を失い、喉がつぶれ、目玉が溶けたことで視力を失った少年はほんの数十センチ、動いた先で溶けきった。
オレはその異様な光景に、手出しできない何かを感じ、ただ呆然と、その少年の結末を見ていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 520人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カンナ(プロフ) - お返事ありがとうございます！嬉しいです、、応援してます！これからも楽しみに読んでいきます！ (3月28日 3時) (
レス) id: fc7530e511 (このIDを非表示/違反報告)
あやこ(プロフ) - カンナさん» カンナさん、コメントありがとうございます。 お待たせして申し訳ありません。part2やっと終わりました。part3は少しでも更新頻度を上げれるよう頑張りますので、是非最後までよろしくお願いします。 (3月26日 0時) (レス) id: 7bf5456e4c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 素晴らしすぎる作品に出会えました、、、この出会いに感謝しかないです．お忙しいとは思いますが、無理ない程度に更新していただけると全わたしが歓喜します。応援してます！ (3月18日 10時) (レス) @page46 id: fc7530e511 (このIDを非表示/違反報告)
あやこ(プロフ) - 天音さん» 天音さん、コメントありがとうございます。お待たせして申し訳ありません、ストーリーはまだまだ続きますので、是非最後までよろしくお願いします。 (3月9日 21時) (レス) @page46 id: 172db88909 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - とても素晴らしい作品に出会えたことに感動してコメントを残したくなりました。読んでいて時間を忘れるほどに面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。 (8月28日 20時) (レス) id: 2158ec844c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あやこ | 作成日時：2018年11月13日 23時
