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屋敷がすぐ目の前という所まで来た時。
ボールの音が聞こえた。
そちらに足を運ぶと、白い髪の毛をした、男の子がいた。
3歳前後だろうか、有り余る力を発散させるかのようにボールを蹴って走り回っている。
初めてみるその子の全身を視界に収めた瞬間に
あ、この子は私の弟だ。
無根拠にそう思った。
そして、同時に私は一歩足を踏み出していた。
「ねえちゃん、だれ？」
人の気配を感じたのだろう、振り返った男の子と目が合う。
年の割にはっきりとした喋り方だ。
「A、君は？」
「オレ？キルア、姉ちゃん暇？遊ぼうよ！」
「いいよ」
彼の誘いに何のためらいもなく即答すると、キルアは駆け寄って来た。足音は完全に消されている。ああ、間違いない。
「じゃあ、オレがボール蹴るから返してね！！」
「分かった」
キルアと7メートル程距離を取ってボールを蹴りあいっこする。
数回ラリーをしたぐらいでキルアが口を開いた。
「いつもは、ゴトーと遊ぶんだけど、今日はアルカが熱を出したから忙しいんだって」
アルカ、という名前は初めて聞くが、きっとその子も兄弟なのだろう。
「寂しい？」
何気なくそう聞くと、キルアの蹴ったボールは軌道を大きく変え、林の中に姿をくらませた。
しばらく間をおいてキルアが答えた。
「ううん、全然、オレ、お兄ちゃんだから」
その目は哀感を帯びているが、どこまでも澄んでいた。
兄弟が大好きで、構って貰えなくて妬ましいなんて全く思っていないのだろう。
愛おしい、なんて、愛おしい子なんだ。
「キルア、おいで」
言葉が勝手に出ていた。
駆け寄ってくるキルアを抱き上げる。
「いい子だね、キルア」
「なにそれ、へんなのねーちゃん」
「そうかもね」
そう言って、笑っていると人の気配を感じた。
「キル、誰かと遊んでるの？
晩御飯の時間よ」
懐かしい甲高い声が響いた。
だが、気配は一つじゃない。
恐らく父だろう。
再開の予感に緊張して、手が汗ばむ。
キルアが、「あ、父さんたちだ」と言って腕から飛び降りる。
そこからは、ほんの数秒だったのだろう。
しかし私には、数時間にも感じれた。
しかしその時は確実に訪れた。
二人の姿が見えた。
恐らく二人にも私が見えたのだろう、父の目が僅かに大きくなり、母の呼吸が一瞬止まるのが分かった。
「お久しぶりです、お父さんお母さん、Aです」
予め用意していた言葉は震えていたかもしれない。
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カンナ(プロフ) - お返事ありがとうございます！嬉しいです、、応援してます！これからも楽しみに読んでいきます！ (3月28日 3時) (
レス) id: fc7530e511 (このIDを非表示/違反報告)
あやこ(プロフ) - カンナさん» カンナさん、コメントありがとうございます。 お待たせして申し訳ありません。part2やっと終わりました。part3は少しでも更新頻度を上げれるよう頑張りますので、是非最後までよろしくお願いします。 (3月26日 0時) (レス) id: 7bf5456e4c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 素晴らしすぎる作品に出会えました、、、この出会いに感謝しかないです．お忙しいとは思いますが、無理ない程度に更新していただけると全わたしが歓喜します。応援してます！ (3月18日 10時) (レス) @page46 id: fc7530e511 (このIDを非表示/違反報告)
あやこ(プロフ) - 天音さん» 天音さん、コメントありがとうございます。お待たせして申し訳ありません、ストーリーはまだまだ続きますので、是非最後までよろしくお願いします。 (3月9日 21時) (レス) @page46 id: 172db88909 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - とても素晴らしい作品に出会えたことに感動してコメントを残したくなりました。読んでいて時間を忘れるほどに面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。 (8月28日 20時) (レス) id: 2158ec844c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやこ | 作成日時：2018年11月13日 23時
