先輩。好きです。孤爪研磨

女の子。猫又side ページ13

いつもギャラリーにいるある女の子。
ここの誰よりも選手を見て少し怖いほどにこの練習に集中していて。

この子は何なんだろうと思った。

それから何日か経ち体育館に行くとその女の子はジャージを着てマネージャーの仮入部として紹介された。

この子ならきっとこのチームをさらに上へ引き上げてくれる。
そう思ったから言った。
この子の本心を知るために。
「うちは、最近では全国を目指せるチームになってきた。もし遊びならここのマネージャーは務まらないよ。」

この子が本気じゃなかったらチームを引き上げてくれる存在にはならないしなれない。

するとその子は話し出した。

貴「私はマネージャーとしてここに来ました。私はコートの中で試合をすることも、試合に出ることもありません。私にできることはみんなの背中を押すことでもありません。彼らは弱くないですよね？
だからこそ私ができることは彼らの縄張りという名の土台を少し作ることです。万全の状態を。あるかもしれない予期せぬ出来事を少しだけ整える。それがマネージャーの1番の仕事だと思っています。」


ここまでマネージャーの仕事を考えている子はいるのだろうか。

私は改めて確信した。
この子になら任せられる。
この子が音駒の根本になると。

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