国立三つ葉異能力学園！！3

#106 巧の力 ページ32

やっぱり、大聖堂はとてもデカい。


思わず「うわぁ……」と声が出た。



さっき巧が何かしていたから、楽に入れるのかなと考えていたけど、そういう訳では無く、私達はぐるりと周りを歩いていた。


「あ、みつけた。」


何かに気づいたのか、巧がやっとだ〜と言いながら、そのドアに走っていく。


「え、それ何？」
「見てわかんないの？裏門だよぉー」


お前、一言余計だ！！



私は怒るけど、そんな事気にしてないのか、さっさと入る作業を進める巧。

何やら、何処に入れてたのか分からない、四角い箱を取り出し、起動させ、空中にキーボードが浮かんだ瞬間、何かを打ち始めた。

それが、ここのセキュリティを搔い繰る為のコードとは、すぐ気づき、素直に感心した。


本来であれば、普通に出来る事では無いのだが、巧は、いとも簡単にものの数分で終わらせ、バカにしたように嗤いながら、


「はい、完了。」


って、言った。



私達は、そんな巧に苦笑を零しつつ感謝し、中へと入っていった。




裏門とあってか、スタジアムの方には出ず、スタッフが歩く様な連絡通路の1つに出た。

どうやら、機材部屋とは違う様で、上の階には、実況様かは知らないが、マイクがあった。


キョロキョロと見渡していたら、それは、起きた。



「〜〜♪〜♪〜〜〜♪〜♪〜〜♪」



ピアノの……音だ。



私達は、驚き、顔を見合わせ、音のする方へと走っていった。

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