国立三つ葉異能力学園！！ (ページ13)

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#10 それそれの思い(巧視点) ページ13

『殺し合いをして下さい。』ねぇ…。
アハハっ！！面白いことを考えるなぁ！
よくもまぁ、こんな突拍子も無いことを言えるねぇ…！凄いやぁ…

ニコニコと僕は上機嫌だった。

それにしても、『異能力は使うように』か、僕の異能力…戦闘向きじゃないからねぇ～。
どうしようか…
まぁ、人を虐めるのは好きだけどね！！

僕は1人突っ立てるのも嫌だったから、大牙に話しかけることにした。

「ねぇねぇ大牙～。大牙はどうするんだい？この、『殺し合い』」

「…ん？巧か。」

「何だと思ったの！？」

「いや、不死鳥(フェニックス)を狙う敵、【我は影、真なる我(ダーク．シャドウ)】の者かと思っただけだ。」

…！？また、厨二病名変わってる！
この前までは、悪の申し子サタン…だっけ？とか何とか言ってたのに！！

「つか、敵の名前ダサいね！！」
僕は笑いをこらえるために、ニコニコと表情筋を固まらせて言った。

「可哀想だろ。」

ｷﾞｬﾊﾊﾊっ！！もう無理！！辛すぎる！！
何敵に同情してんの！！

「も～大牙のせいで笑いの沸点が低くなってる。」

アハハっ！！本当大牙は面白いなぁ～

「もー話を戻すよ！で、大牙は人を殺すのどうなの？僕は大丈夫なんだけどさ～」

「俺は…慣れている。家の関係もあるが…。だが、自分の異能力は相手を完全に殺してしまう。それは、少し嫌だ。
巧は？巧は…その異能力じゃ戦えないだろ。」

「僕は大丈夫だよ～何のために大牙と仲良くなってると思ってるの～？何かあった時に利用するためだよ？」

大牙少し悲しんだかな～ﾌﾌﾌ…

巧はﾆｺﾆｺと“張り付いた笑顔”で笑った。
『利用』と言う言葉も『僕は悪どい人間だ』とでも示すように。

「あ、あぁ…。そうだな。俺は利用されてもいいぞ。別に。」

ふ～んつまんない反応

時に大牙は、少しではあるが相手の本質を見抜く事が…特に巧相手にはそれが出来た。

「無理、しなくてもいいからな。」

真剣な顔で巧を見つめる大牙。
巧は“張り付けの笑顔”を出した後、顔をそらした。

ーは、はぁ！？大牙の癖にムカつく…
大牙って、たまにあーゆうの突いてくるから恐いんだよね。

『お前は一生俺の手駒として生きてくんだからな！！』
男が巧を殴りながら言っていた。

ーｸｿｯ…やな思い出だ。思い出してしまった。

眉をひそめ、泣きそうになってる巧の顔は、誰も気付くことは無かった。

しかし、
ただ一人、巧の表情に気づき悲しい目をしていたー大牙ーのことは、巧は知るよしも無い。