冬空の星3☆ 【イナズマイレブン】 (ページ38)

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Episode.69【☆★】ページ38

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「Aは、みんなとライオコット島に行かなくてよかったの？」

ママが空港からの帰り道の車内でそう聞いた。

「うん、こっちにも少しマネージャーが残った方がいいかなと思って。でもいつかわたしもそっちへ行くつもりだよ」

「あらそう？」

「あと、飛行機怖いし… 心の準備が…」

「なによそれ、大丈夫よ。ママも最初は怖かったけど、景色は絶景よ？」

「そう…かな」

そんな話をしながら家に帰った。
そしていったん学校に戻って、荷物をとってくる。
普通に忘れてた。

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ひさしぶりの自分のベッド。
なんだかそれだけですごく安心した。
そして、涙がつーっと流れた。
これが安心から来るものなのか、寂しさから来るものなのか、
はたまた両方なのか、わからない。
今頃みんなはどこにいるのかな、まだ空かな。
時間はどのくらいずれてるんだろう。
そういえば季節も、おんなじなのかな。

「A？お昼ごはんできてるわよ？」

「うん、今いく」

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午後も特にすることがなかった。
だからベッドでごろごろしてたんだけど、そのまま寝てしまった。
次に起きたときには、もう17時をさしていた。

さすが夏、まだ明るい。でも風が気持ちいい。
お散歩をすることにした。
クローゼットから取り出したのは、夏の青い空によく似合う白いワンピース。
そういえば、流星群を見に行ったときも、これを着ていたなぁ。

行く宛もなく、ただぼんやりと歩いていく。
そんなだから、きっとこんなところについてしまったんだろうな。

そこは、流星群を見た丘だった。

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そこについて、斜面に体育座りをする。
こうしてたら、来てくれる気がして。
でもこない。当たり前だよね。

なにを期待してるんだろ。
…帰ろ。

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「おかえりA。どこ行ってたの？」

「ちょっとね。ねぇ、今日の夜ご飯はなに？」

「今日はAの好きなハンバーグよ」

「ほんと！？」

「えぇ。だからテーブルの上、片付けておいてね」

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その日の夜は満足にハンバーグを食べて、幸せにベッドについた。
今頃みんなはどうしてるのかな？

そしてまた、ぼんやりヒロトくんのことを考えてしまっている。
なんだか苦しい。涙が出そう。
あのときちゃんと、お話ししていればな。
わたし、気づかないうちにヒロトくんのこと、好きになってたのかな…？
…ううん、違う。
わたしが好きなのは、吹雪くんだから…