冬空の星3☆ 【イナズマイレブン】 (ページ27)

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Episode.58【☆★】ページ27

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緑川が、Aちゃんの部屋から出てくるところを見た。
緑川はオレに気づいたらしく、声をかけてくる。
Aちゃんの部屋に、何の用だったんだろう？

「おっ、ヒロト。ちょうどよかった。話したいことがあったんだ」

＊＊＊

「Aに、ヒロトのことどう思ってるのか聞いてみたんだ」

それまた、なぜ？

「吹雪を好きでいながら、ヒロトの気持ちに曖昧な返事をしたのが、許せなかったんだ…」

「それで、Aちゃんはなんて言ってた？」

「自分でも正直よくわからないって。オレもなんなんだよ…って思ってしまった」

Aちゃん…ごめん。
オレのせいで気持ちめちゃめちゃにしちゃって。

「オレにとってヒロトは大切な友達だからさ…だからAには…」

「その先は言わなくていいよ、緑川」

「ヒロト…？」

いいよ。オレの気持ちなんて。
Aちゃんが幸せなら、オレはそれでいいんだ。

「いくらAちゃんが吹雪くんを好きでも、オレの気持ちは変わらないし、オレを好きでいてくれてなくてもいいんだ」

「ヒロト…それじゃお前が…」

「いいんだ、緑川。心配してくれてありがとう」

「ヒロト… …わかった。そこまで言うならオレももう何も言わないよ」

そう言って緑川は自分の部屋に戻っていった。
オレも、Aちゃんと話しておきたい。

コンコンってノックする。
「はーい」ってAちゃんの声がする。

「Aちゃん、少し話したいんだけど、いいかな」

＊＊＊★

「ヒロトくん、急にどうしたの？」

「さっき緑川と話してたんだけど、思うところがあったから話に来たんだ」

思うところ…？ってAちゃんが首をかしげる。

「緑川に何言われたかは知らないけど、AちゃんはAちゃんのままでいいからね」

Aちゃんは頭の上にはてなを何個か浮かべた顔をしてるけど…わからなくてもいいよ。

「オレはいつでも、Aちゃんのこと応援してるから。じゃあ、それだけ。急にごめんね」

Aちゃんは返事に困ってたみたいだけど、それでもいい。
言いたいこと言えたし、大丈夫。

オレは、Aちゃんがいつでも頼れる場所であるならなんでもいい。
幸せになってね…