十二秒*女子高生、落ちる ページ14
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こんな高さから生身の私が落ちたら‥‥死ぬ気がするんですけど!
気のせいじゃないよねぇ! ねぇ!
「A様! 手を!」
厨子王が伸ばしてくれた手を必死に掴む
ぱしっ
私の手を掴んだ厨子王は、上に飛ぼうとしてるみたいだけど、下に落ちるのは止められない
「くっ、安寿!!」
「分かっている!」
安寿は下にむかって手をつき出した
「"風の息吹"!!」
その手から竜巻のような突風が吹き荒れる
落下速度は落ちた物の、上に戻れる事はなかった
『この風は‥‥』
「安寿の能力は風。自在に操れるんですよ」
『ず、厨子王のは?』
「ここから無事に帰還できたら、お見せ致しましょう」
ふっとうつむく厨子王
その時、安寿が叫んだ
「駄目です! 風力を最大にしても、上がれない!」
「‥‥仕方ない。いちかばちか!」
厨子王は私の手を強く握った
「A様、時廻りを!」
『え!?』
「別の時空に行けば助かるやもしれませぬ!
ここは霊道。下手したら、辺獄に落ちる可能性もありまする
そうなる位なら!」
そ、そんな事言われても!
パニックに陥る頭
脳裏に、潰れたカエルのようにペションとなっている自分を想像して、私は内心ひぇぇぇえと悲鳴をあげた
___昨日までは絶望してた
突然の一人ぼっちに、心が痛かったんだよ
でも、いざ死にそうになると‥‥
どうしようもなく生きたくなる
みっともなく足掻いて、生きていたい
『‥‥ここはっ、私の知らないっ、世界‥‥!』
順応出来なければ人間は死ぬ
弱い生き物だから
だから私は‥‥っ!
『巻きっ、戻れぇぇぇえ!!』
変わる勇気を、しっかり持っていけ!
懐中時計が光る
桜色の中で、私は意識を飛ばした
___
__
一方その頃___
ドシャッ!
「ひぃぃっ! お‥‥鬼っ!」
「妖鬼は君達でしょ? 鬼が狐に怖じ気づくなんて、滑稽だね?」
俺の刀の下で阿呆のようにもがく妖
心臓を一突きしてやったのに、まだ動けるんだ?
「あぁ、焦れったいね‥‥さっさと死になよ」
刀を引き抜き、鬼の頭へと落とす
やっと静かになった
「おい、あれ‥‥白夜だよな?妖狐の‥‥」
「久しぶりに見た‥‥あの鬼達も阿呆だな。白夜に絡むなんて」
「きっと西国の方の余所者だ。白夜の事を知らなかったなんて、ご愁傷さまとしか言えねぇよ」
周りの声が、うっとうしい
こいつらも潰してやろうかな?
俺は汚ならしい血のついた刀を血振りする
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ユキ(プロフ) - りんずさん» やった。頑張るじぇ! (2018年8月28日 23時) (レス) id: 42ecbbb834 (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - ザクロさん» 是非是非!そういってくれると嬉しい! (2018年8月28日 22時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ(プロフ) - 私も描いていい?イメ画。 (2018年8月28日 22時) (レス) id: cf0e41908a (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - ユキさん» 了解!いいよ!是非かいて下さい! (2018年8月28日 21時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 白夜さんと夢主を描きたみ…あとザクちゃんのボード足したんでそっちに移行を! (2018年8月28日 19時) (レス) id: 42ecbbb834 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんず | 作成日時:2018年8月25日 22時