妖もどきと女子高生【恋愛】 (ページ21)

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十七秒ページ21

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『‥‥いや、無理でしょう』

「A様！くじけないで下さいませ！」

『いやいやいやいやいや！？
ちょっとデカくない！？
おかしいでしょどう考えても！！』

「そうおっしゃらずに！」

「A様！きます！」

『ぎゃああああぁぁぁあ！！』

襲いかかってくるその姿はさながら悪夢

振り上げられた拳に、思わず両手をクロスさせてガードした

＿＿＿ズッ、、ズシャアッ！！

ボタボタと血がしたたり、鬼の腕が落ちる

人間の鮮血には程遠い色の血が流れていた

ピッ＿＿

厨子王が短刀を血振りする

「A様、構えて下さいませ！
斬ると其処から瘴気が出るので、我々の攻撃できる回数には制限がございます！」

『嘘でしょおい』

ていうか何で腕斬られたのに動けてンの！？

やっぱ人外だから！？なんでもありかよこんちきしょぉおおお！！！！

『‥‥っ』

やればいいんでしょやれば！！

扇子を慣れない動作で開く

桜模様が美しかった

『‥‥』

キィィィイン

視界が歪んで見える

桜色に目の前がスパークし、鬼の姿が浮かび上がった

酷く脆く、空虚な姿を毒の霧のような色がおおう

妖怪なんて、私は信じてなかったよ

元々人の産み出した物だと思ってたし

信じない人が実際大多数だと思うんだよね

『‥‥それゆえに、何もない

命の後悔を除いては』

懐中時計がチクタクチクタクと

夢の終わりを告げる

命の願いを、今宵、託される

『さぁ‥‥微かに残っている貴方の存在にさえ、お辞儀を一つ

そして別れを告げる時だ』

懐中時計が急速にまわりだした

鬼の姿が地に還るように消えていく

うめき声をあげながら、此方に手をのばす

熱く火傷しそうな熱を胸元に抱えながら、意識が遠退いていく感覚を覚える

最後に見えたのは、喜びの声をあげた二人が、此方を振り向いて焦ったらように駆け寄ってくる姿だった

＿＿＿
＿＿

＿＿＿あれ、まだ死んでいなかったんだソレ

体が、痛い

＿＿＿び、白夜様、落ち着いて下さいませ！

けだるい

＿＿＿可笑しなことを言うね。俺は何時だって落ち着いているよ

あれ、視界が暗い？

＿＿＿白夜様が殺生をなさる理由はありません！A様は今まさに時廻りの仕事を果たされました！

んー。なんで暗いんだ？
もしかして目隠しプレイでもされているのか？

＿＿＿そんな事はどうだっていいよ。蟻以下の脳味噌の分際で、よく地霊を連れ回してくれたね

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