妖もどきと女子高生【恋愛】 (ページ16)

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十四秒ページ16

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「目障りなことをしてくれるね」

やはり、あの時斬っておくべきだった

己の刀をながめる

怪しい奴は信用するな

知らぬ奴を信用するな

理由なんて、それだけで事足りる

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＿＿

「‥‥ま‥‥さま‥‥」

『う‥‥』

「起きてくださいませ、A様！」

『わっ！』

ガバッ

耳元の大声に私は跳ね起きる

「よかった‥‥お目覚めになられたのですね」

傍には、安堵した表情の厨子王がいた

『あ、あれ‥‥厨子王、私‥‥』

「時廻りの衝撃で、気を失ったのでございます」

そうだ！私確かに‥‥！

『ここは？』

「時廻りが成功したと思われますので、現代でないことは確かです。今、安寿が聞き込みに‥‥」

「A様は目覚められたか！厨子王！」

『安寿！！』

下駄を鳴らしながら、安寿が走ってきた

「A様！無事でようございました‥‥
この安寿、只今情報収集から戻りました」

『あ、ありがとう』

キリッと顔をあげる安寿はかっこいいけど、見た目が小学生なので、どうしても可愛く見えてしまう

「ここは、おそらく１５０年前の世界で御座います」

『１５０年‥‥』

ほ、ほんとにタイムスリップしちゃったの私‥‥？

や、やばい。人類のロマンを体験してしまった

「１５０年前‥‥A様、分かりました」

『え？』

「お仕事に御座います」

厨子王に真顔でそう言われ、私は目を点にした

『ん？』

「すべての時廻りは、必ず意味を持つもので御座います。おそらく、ここの時空に歪みが発生しているのです

それを修正しに参りましょう」

『‥‥それって‥‥つまり‥‥』

「はい」

「「時廻り様、最初のお仕事に御座います」」

おし、ごと‥‥

『‥‥具体的にはどうやって？』

「此方を」

膝まずいて差し出されたのは、扇子

真っ黒な物で、桜の模様が施されていた

『これは？』

「我が社に遺されていた、神具で御座います」

「時の乱れ。その大半は妖の所業。A様は、これで妖怪をお祓い下さい」

『いや、無理だって』

「大丈夫です。できます」

何をそんなに自信満々に行ってくれちゃってんの！？

だってそれって要するに妖怪と戦えって言ってるようなモンでしょ！？

そんな恐ろしい物と対峙したら、私のちっぽけな命は儚く散ってしまうよぉぉぉお！！

「私共も援護しますから！」

「これをしなければ、現代には戻れませぬ！」

何その宣告。絶望だよ！

私はがっくりと両膝をついた

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