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妖1人 ページ2

(あやかし)、と言うものがこの世界には存在する。
そいつらは人間に化けて? 生活している。
何でも妖と人間が番になると妖の秘めたる力がうんたらかんたらだとか。
勿論、妖にも人間にも悪い奴はいる。

例えば妖を捕らえて売る商人。
人間を殺す妖___等。

中には共存してきちんと生きている人達も居るのだが。
まぁ、俺には関係ない話___なんて思ってたのに。




『また妖による殺人が行われました。今回は眠るように死んでいたので、獏の仕業ではと専門家は申しております。』

テレビに映るニュース。
パンをかじりながら、俺はチャンネルを変えた。
某時計のテレビ。

「……ぁ、もう時間だ。」

時刻は8時。
俺は鞄を持って家を出た。
家を出て直ぐのT字路に、幼なじみの神無月礼於(かんなづきれお)が待っている。

「ごめ、待った? 」
「ん? 全然。」

ニコッ,と笑いながら礼於は歩く。
俺もその横に並びながら歩き出した。
途中で、ふと今日のニュースを思い出して

「礼於んとこと妖って何だっけ? 」

と聞いた。

「鵺、めっちゃ可愛いの。」

デレ,とした顔で自慢話……否、惚け話? を始める礼於。
写真を見たことがあるが、どう見ても男であった。
まぁ、本人が幸せなら良いと思うが。

「ほら、あの人も妖だよ。」
「……へぇ。」

礼於は妖を見分けるのが上手い。
コツとかあるのか? と聞くと「大体和服着てる。」と返された。
なんだそれ。

「……でも何か妖と一緒にいるのって同姓な気がする。」
「そうだよ? 妖は同姓としか番になれないからね。」
「初めて聞いた。……妖が人をころ……殺める時ってどうやるんだろうね。」

獏が夢ってことは、種族に合った殺り方なのか?

「ん、さぁ? 雅は短刀持ってるけど。」
「短刀!? 」

それって、銃刀法違反なんじゃ?
と言う視線を向けると、礼於は首を振って

「あ、番の許可が無いと使えないけどね? 」
「そうなんだ。」

使えないって抜けないってことかな。
それとも切れなくなるのかな?
なんて考えているうちに学校に着いた。

「……あ、竜雅先生こんにちは。」
「……こんにちは。」

校門前に立って生徒達に挨拶するのは刀月竜雅(とうづきりゅうが)先生。
鋭い眼光と無口なせいで冷たく見られるが、全然そんな事は無い。
ちなみにこの人も妖と番である。
確か……烏天狗? だったと思う。
何で皆妖と番なの? 何処にいるの?
いや別に要らないけどさ。

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作者名:白琥珀 | 作成日時:2019年2月16日 9時

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