あやかし少年少女物語第十部ー廻る因果篇ー〈イナGo〉 (ページ1)

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第二十一話 1 ページ1

ヒロト「……どう思う？」
緑川「いや……どうって言われても……
“彼”が持ってきたこの写真の子……確かに似てるってレベルじゃない……」
ヒロト「うん……でも、同一人物だなんてあり得ない
これは間違いなく、十年前の写真だ」
緑川「親戚ってことなのかな？ “あの子”は知っているかどうか……
でも、それでもやっぱり……」
ヒロト「把握している親戚は少ないみたいだしね
でも、雷門の制服が気になるよ」
緑川「円堂に聞いてみる？
多分彼等の同級生だろうし、見たことだけでもありそうだけど」
ヒロト「……いや、“彼”が円堂君でなく俺達にまず当たったんだ、後からにしよう
それにーーー何か、胸騒ぎがするんだ」

〈第二十一話歯車はもう動き始めた〉

ーーーとある日の雷門中グラウンドにて

仙果「お兄様方ー！早くお片づけをして戻りましょう！！」
天馬「え、もうちょっと練習していこうかなと……」
仙果「最近は日暮れも早くなってまいりましたし、お休みすることも大切です！！」
輝「ちょ、せかさないで下さい～」
信助「分かった！分かったからー！！」
仙果「それに、今宵の○曜ロードショーは“劇場版それいけ！ワンダバマンクロノストームvs超猿人エヴァース”の地上波初放送です！！
それまでに、やるべきことを片付けてしまわなくてはいけません！！！」
狩屋「目的それかい！！」
剣城「先週DVD借りて観たばかりじゃ……」
仙果「あれは何度も観る価値のある傑作なのです！！
キング・テンマ様の勇姿を何度でも見届けねば！！！」
黄名「仙果ちゃん、キング・テンマにすっかりお熱やんねー」

一年達が談笑しながら片付けをする、平和な夕暮れ時である

霧野「あれ？ Aは？」
神童「テーピングが切れそうだからと、買い出しにいったぞ」
霧野「もう夕方だが……大丈夫か？」
神童「まあ……問題無いだろう」

そう、平和な日常

全く同じ日々ではないが、その何があるか分からない、変容する毎日こそ、彼等の愛する幸せな時間なのだ

ーーーそんな日々の終焉が近づいているとは、誰も考えるはず無いのだ