八話 ページ10
「ほらよ。」
『あ、すみませんわざわざ。』
空条君が救急箱とは別の箱を渡してきた。
見慣れたものなのでそれが書道用具だとすぐにわかる。
「別に、謝らなくていい。」
『...はい。ではお借りします。』
すみませんって謝った訳じゃあなかったんだけどな....。
まあ、いいか。
気持ちを整えて書道用具を開く。
あまり汚れていないのでおそらく頻繁には使っていないのだろう。
部屋にあった机を借りてテキパキと護符を書く準備をする。
《なにするんだよ》
『護符』
「あ?」
『いっ、いえ!!何も...!!』
「...。」
やらかした。
気を抜いてはいけない。
そうだった、この部屋には私と空条君しかいない。
...空条君から見たらの話だが。
硯に墨を出す。
急ぎなので墨を擦るのは諦めた。
半紙を手馴れた手つきで丁度いい大きさに切る。
さて、書くとしよう。
そう意気込んだが、空条君の言葉によりその動作は止められてしまった。
「...何を書くんだ。」
『...え?』
「急ぎっつてたろ。急ぎで書かなければならないもの、しかも筆でだ。一体何を書くか、想像がつかなくてな。」
『あ...。』
空条君の目が鋭く私を射抜く。
今度は誤魔化すな、と言っているようだ。
冷や汗が頬を伝う。
どうしよう、なんて言うべき.....?
こうしている間にも日は暮れようとしている。
しかし、そんなことには気付かず私はただ、最善策を探すのに必死になっていた。
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不登校の自殺志願者 - 次への扉 ページ50のとこで、「この優しい口調はっ!?まさかっ!?」ってなりました!!何て言うか、物語の進め方がすごいんですよね!すごく面白いです! (2019年3月10日 13時) (レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 雷獄丸さん» そうですか!そう言っていただけるとこちらとしても書きやすいです!!コメントありがとうございます! (2017年8月27日 20時) (レス) id: 8c44b8d3b9 (このIDを非表示/違反報告)
雷獄丸(プロフ) - 夏目友人帳くらいわかるよぉ!wもぉwこれからの頑張ってくださいねぇ!w (2017年8月14日 11時) (レス) id: bbb567e10b (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 黒蛇さん» コメントありがとうございます!雑鬼はわたしも大好きなのでどんどん絡ませていきます!可愛さが伝わって良かったです! (2017年8月11日 17時) (レス) id: 51648f87ce (このIDを非表示/違反報告)
黒蛇(プロフ) - 雑鬼が可愛すぎてやばいです!雑鬼との絡みをもっとお願いします! (2017年8月10日 20時) (レス) id: cc9de3dd63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魏杏妖遊 | 作成日時:2017年2月26日 20時