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五話 ページ7

貴女side

「ついたぜ。」

『おぉ....。』


空条君の言葉でふと前を見ると、そこには大きな家があった。
まさに日本家屋という感じで風情がある。
日本好きな私にとって憧れとも言える家だ。


ここが、空条君の家...。


思わず感嘆の声をもらしてしまうのも仕方ないだろう。


「何してる、さっさとこい。」


いつの間にか門をくぐっていた空条君。
私そんなに見とれてたかな...。
いけない、しっかりしなきゃ。

にしてもいい門だな、と全くしっかり出来ていないまま門をくぐる。
庭園が綺麗だ。


ガラッ


「あら承太郎、おかえりなさい♪」

「おい、救急箱を持ってきてくれ。」

「えっ承太郎怪我したの!!?」

「してねえ、さっさともってこい。」


ハーイ♪と、明るい声が響く。

まさかとは思うが今のは空条君の...。
いやいや、似てなさすぎるか。
そもそも若かったよね今の人。

ふと空を見ると、東の空が暗くなってきた。
やばい。
外で突っ立ってるわけにもいかないのでお邪魔させていただくことにしよう。


『...お邪魔します。』

「おう、とりあえず上がれ。」


靴を脱いで空条君の後を追う。

今思ったが、他人の家に上がらせてもらうなんていつ以来だろうか。
というか、同い年の人の家なんて初めて来た。

心做しか少々嬉しい。
こんなことで嬉しいだなんて、相当人と付き合ってなかったんだなぁ。
そう、改めて思う。


「ここだ。」


空条君が障子を開ける。
和室だ。
畳の匂いが鼻をくすぐる。

空条君が中に入ったので、自分も入ろうとする。
しかし、寸前のところで歩みは止まった。


「...どうした。」

『いえっ、何も...。』


言えない。









畳の上で雑鬼たちがゴロゴロと優雅にくつろいでいるだなんて、私は言えない。

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不登校の自殺志願者 - 次への扉 ページ50のとこで、「この優しい口調はっ!?まさかっ!?」ってなりました!!何て言うか、物語の進め方がすごいんですよね!すごく面白いです! (2019年3月10日 13時) (レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 雷獄丸さん» そうですか!そう言っていただけるとこちらとしても書きやすいです!!コメントありがとうございます! (2017年8月27日 20時) (レス) id: 8c44b8d3b9 (このIDを非表示/違反報告)
雷獄丸(プロフ) - 夏目友人帳くらいわかるよぉ!wもぉwこれからの頑張ってくださいねぇ!w (2017年8月14日 11時) (レス) id: bbb567e10b (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 黒蛇さん» コメントありがとうございます!雑鬼はわたしも大好きなのでどんどん絡ませていきます!可愛さが伝わって良かったです! (2017年8月11日 17時) (レス) id: 51648f87ce (このIDを非表示/違反報告)
黒蛇(プロフ) - 雑鬼が可愛すぎてやばいです!雑鬼との絡みをもっとお願いします! (2017年8月10日 20時) (レス) id: cc9de3dd63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:魏杏妖遊 | 作成日時:2017年2月26日 20時

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