四十二話 ページ45
何とも言えないような緊張に、Aの胸は脈を速めた。
「まずは、これを見てほしい。」
アヴドゥルはそう言って立ち上がった。
その背後にはいつの間にか、赤い鳥のような姿があった。
Aはすぐに、それがアヴドゥルのスタンドだと理解した。
「何が見えるかね。」
『赤い...鳥?』
「そうか....フム、見えているというのは本当のようだ。」
失礼した、という言葉を付け加えてアヴドゥルは腰を下ろした。
スタンドも魔法のように消えていった。
今度はジョセフが口を開く。
「スタンドのことは承太郎に聞いたんじゃな?」
『はい。』
「だがジジイ、俺は軽くしか話してねえ。スタンドについては、まだ知らねえことの方が多いと思うぜ。」
「ム、そうか...。
なら、スタンドはスタンド使いにしか見えないのも知らんのか。」
当然初耳のAは黙って首を縦に振る。
「今までにスタンドらしきものを見たり、もしくは自分が使えたりしたことはあるか?」
『いえ、多分ありません。スタンドが見えるのは、おそらく私に見鬼の才があるからだと思います。』
ジョセフは眉をひそめた。
見鬼の才、という聞き慣れない単語が出てきたからだ。
「見鬼の、才、とは?」
『簡単に言えば、妖や悪霊、鬼などの一般の人々が見えないようなものたちを見ることが出来る才能のことです。私は生まれつき、この才能を持っていました。』
「なるほど...。では君は、妖とスタンドが同じような存在だと、そう言いたいのかね?」
『まあ...そういうことになるでしょうか。妖たちは、見えない身体を持つというよりは、魂だけの存在だという方が近いですから。スタンドも多分そうでしょう?』
「ウーム、確かにのう...。」
スタンドと妖。
違うようで、同じような存在。
その二つの存在が、話を大きく難しくした。
(よくわからなくなってきたなあ…。)
(...よう分からん。)
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不登校の自殺志願者 - 次への扉 ページ50のとこで、「この優しい口調はっ!?まさかっ!?」ってなりました!!何て言うか、物語の進め方がすごいんですよね!すごく面白いです! (2019年3月10日 13時) (レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 雷獄丸さん» そうですか!そう言っていただけるとこちらとしても書きやすいです!!コメントありがとうございます! (2017年8月27日 20時) (レス) id: 8c44b8d3b9 (このIDを非表示/違反報告)
雷獄丸(プロフ) - 夏目友人帳くらいわかるよぉ!wもぉwこれからの頑張ってくださいねぇ!w (2017年8月14日 11時) (レス) id: bbb567e10b (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 黒蛇さん» コメントありがとうございます!雑鬼はわたしも大好きなのでどんどん絡ませていきます!可愛さが伝わって良かったです! (2017年8月11日 17時) (レス) id: 51648f87ce (このIDを非表示/違反報告)
黒蛇(プロフ) - 雑鬼が可愛すぎてやばいです!雑鬼との絡みをもっとお願いします! (2017年8月10日 20時) (レス) id: cc9de3dd63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魏杏妖遊 | 作成日時:2017年2月26日 20時