三十八話 ページ41
私が促すよりも先に、空条君がポケットの中を漁る。
そして出てきた護符をみて、少なからず聖子さんは目を見張った。
「ン?その紙切れは...。」
「ああ!護符が切れているわ!!しかも、縦に真っ二つになっているじゃない!」
聖子さんが驚いている。
それもそのはず。
私は聖子さんに、護符が発動した時の様子だけでなく、結界が限界に達した時のことについても話しておいたからだ。
《結界が破られると、護符は縦に真っ二つになる。》
そう伝えておいた。
それがどうだ。
最愛の息子のポケットからそれが出てくるだなんて。
驚くのも当然だろう。
「承太郎、貴方が切った訳じゃあないんでしょう?」
「ああ、俺は全く触っていなかったぜ。」
そう言って空条君がジョセフさんの方を向く。
そして彼は口を開いた。
「聞けジジイ。
俺は留置所にいた時から襲われていたらしい。
留置所にいた時はこの紙っきれが守ってくれていたが、さっきの喧嘩の時に切れてな。
《見えない敵》に襲われた。」
「承太郎、お前何を...。」
「ジジイがコイツのことを信用できねえのは俺もよくわかるぜ。
俺だってはじめは疑っていたからな。
だが俺は実際に襲われた。
見ろ、生気を吸われたせいで手が震えてやがる。
立つこともままならねえ。
俺は、本物の《悪霊》に襲われたんだ。」
空条君の真剣な眼差しがジョセフさんに注がれる。
流石のジョセフさんもタジタジである。
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不登校の自殺志願者 - 次への扉 ページ50のとこで、「この優しい口調はっ!?まさかっ!?」ってなりました!!何て言うか、物語の進め方がすごいんですよね!すごく面白いです! (2019年3月10日 13時) (レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 雷獄丸さん» そうですか!そう言っていただけるとこちらとしても書きやすいです!!コメントありがとうございます! (2017年8月27日 20時) (レス) id: 8c44b8d3b9 (このIDを非表示/違反報告)
雷獄丸(プロフ) - 夏目友人帳くらいわかるよぉ!wもぉwこれからの頑張ってくださいねぇ!w (2017年8月14日 11時) (レス) id: bbb567e10b (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 黒蛇さん» コメントありがとうございます!雑鬼はわたしも大好きなのでどんどん絡ませていきます!可愛さが伝わって良かったです! (2017年8月11日 17時) (レス) id: 51648f87ce (このIDを非表示/違反報告)
黒蛇(プロフ) - 雑鬼が可愛すぎてやばいです!雑鬼との絡みをもっとお願いします! (2017年8月10日 20時) (レス) id: cc9de3dd63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魏杏妖遊 | 作成日時:2017年2月26日 20時