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三話 ページ5

「腕の怪我、どうした。」

『これは...。』


腕の怪我?
これのことを聞きにわざわざ私を?
...彼も大概不思議な人だ。


しかし、そんなことはどうでもいい。
腕の怪我をなんと言うか。
『風で切れた』だなんてどうせ信用してもらえないし。

...妖なんてもってのほかだよね。


「...言いたくねえならいい。それどうする気だ。」


いいんだ。
空条君、気になって追ってきたのに深く追求しないなんて。
変なの。

で、それとは怪我のことか。
どうするってどういうことだろう。


「一人暮らしだろ、腕1本だと包帯が巻けねえ。」

『あ...。』

「...はぁ、考えなしか。まぁいい、家に来い。」

『え、家って...。』

「俺の家だ。血を流した女を放っておくほど俺は薄情者じゃあねぇぜ。」

『はぁ。』


怪我の治療をして頂けるようだが、少々問題がある。
今から彼の家へ行って治療を受けたら確実に日が暮れる。

夜は危険だ。
妖たちが本格的な活動を始める。


せめて護符さえあれば。

ふと私の頭に一つの策が浮かんだ。
正直厳しいが、一応聞くだけ聞いてみよう。


「いいな、ついてこい。」

『...あの。』

「...なんだ。」

『急ぎで書かなければいけないものがあるんです。
墨と筆と、硯を借りたいのですが。』

「....別に構わねぇぜ。」

『ありがとうございます。』


不思議そうな顔をしていた。
あああ、申し訳ない...。
ていうか恥ずかしい....。

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不登校の自殺志願者 - 次への扉 ページ50のとこで、「この優しい口調はっ!?まさかっ!?」ってなりました!!何て言うか、物語の進め方がすごいんですよね!すごく面白いです! (2019年3月10日 13時) (レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 雷獄丸さん» そうですか!そう言っていただけるとこちらとしても書きやすいです!!コメントありがとうございます! (2017年8月27日 20時) (レス) id: 8c44b8d3b9 (このIDを非表示/違反報告)
雷獄丸(プロフ) - 夏目友人帳くらいわかるよぉ!wもぉwこれからの頑張ってくださいねぇ!w (2017年8月14日 11時) (レス) id: bbb567e10b (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 黒蛇さん» コメントありがとうございます!雑鬼はわたしも大好きなのでどんどん絡ませていきます!可愛さが伝わって良かったです! (2017年8月11日 17時) (レス) id: 51648f87ce (このIDを非表示/違反報告)
黒蛇(プロフ) - 雑鬼が可愛すぎてやばいです!雑鬼との絡みをもっとお願いします! (2017年8月10日 20時) (レス) id: cc9de3dd63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:魏杏妖遊 | 作成日時:2017年2月26日 20時

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