三十四話 ページ37
三度目となる空条家。
相も変わらず美しい庭園にAは趣を感じていた。
その庭に、偶然にもホリィがいるのを見つける。
ホリィもAとAに寄りかかった承太郎を見つけ、目を見開く。
「承太郎!?」
「...チッ」
落ち葉を集めていたのだろうか。
持っていた箒を投げ捨てて駆け寄ってきた。
承太郎は見つかりたくなかったのか、盛大に舌打ちをかましている。
『聖子さん。』
「え?ああ!Aちゃんじゃないの!!」
この前はどうもありがとう、とにこやかにいうホリィ。
嘘偽りのない、澄みきった笑顔だった。
「おいアマ。ジジイ呼んでこい。」
「え、ええわかったわ。でも承太郎、怪我はしてないの?」
「してねえ、さっさと呼んでこい。」
うわあデジャヴ...。
そうAは言いそうになったが、なんとか喉元で押しとどめた。
承太郎のきつい言葉にも笑顔で応えるホリィ。
それが優しさからくるものなのか、単に息子を溺愛しているからか。
Aにはわからなかった。
パタパタとホリィが家の中に入っていく。
それに続いてAと承太郎も入る。
中に入ると承太郎が崩れ落ちるように玄関に腰を下ろした。
少々驚いたAだったが、それでも承太郎に負担がかからないように腕に力を入れた。
今更だが、承太郎はAより一回りも二回りも大きい。
それに重い。
女のくせに相当頑張ったなコイツ。
らしくないことを考える承太郎であった。
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不登校の自殺志願者 - 次への扉 ページ50のとこで、「この優しい口調はっ!?まさかっ!?」ってなりました!!何て言うか、物語の進め方がすごいんですよね!すごく面白いです! (2019年3月10日 13時) (レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 雷獄丸さん» そうですか!そう言っていただけるとこちらとしても書きやすいです!!コメントありがとうございます! (2017年8月27日 20時) (レス) id: 8c44b8d3b9 (このIDを非表示/違反報告)
雷獄丸(プロフ) - 夏目友人帳くらいわかるよぉ!wもぉwこれからの頑張ってくださいねぇ!w (2017年8月14日 11時) (レス) id: bbb567e10b (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 黒蛇さん» コメントありがとうございます!雑鬼はわたしも大好きなのでどんどん絡ませていきます!可愛さが伝わって良かったです! (2017年8月11日 17時) (レス) id: 51648f87ce (このIDを非表示/違反報告)
黒蛇(プロフ) - 雑鬼が可愛すぎてやばいです!雑鬼との絡みをもっとお願いします! (2017年8月10日 20時) (レス) id: cc9de3dd63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魏杏妖遊 | 作成日時:2017年2月26日 20時