三十話 ページ32
side無し
※少し書き方が変わっています。
『斬ッ!!』
凛とした声が響く。
Aの放った刀印は霊刃となって女に切りかかった。
女は痛々しい声をあげながらスタンドから手を離す。
スタンドが解放されたとわかった承太郎はすぐさまスタンドをしまった。
また捕まったら元も子もない。
「お前...」
『下がって。此処は私に任せてください。』
承太郎は息を飲んだ。
コイツ、いつもと雰囲気が違う。
そう感じた承太郎は大人しく下がることにした。
本当かどうかはわからないが、目の前にいるのは妖祓いだ。
恐らく専門分野というやつなのだろう。
そう結論づけたのだ。
承太郎が下がったことを横目で確認したAは、もう一度女を見据えた。
女はまだ痛みに悲鳴をあげている。
だがそれも、徐々に憤激の声色へと変わっていく。
《ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!ヨクモ...ヨクモォ!!!》
緊迫としたその状況の中。
Aは、一滴の汗も流してはいなかった。
絶対に勝つ。
否、絶対に勝てるという自信があったのだ。
両手で手印をつくる。
再び襲いかかってきた女に、Aは静かに調伏の呪文を唱えた。
『まがものよ、禍者よ、いざ立ち還れ、もとの住処へ。形なき弓よ、ちはやぶる神の生弓、放つ生矢よ、妖気を的と為せ。』
両手印をきる。
途端に光の矢が女に放たれた。
《ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!....アア...ァ...》
それは一瞬の出来事だった。
放たれた矢が女に当たった瞬間、光が女を包み込んだ。
それによって女は苦しんだかのように見えたが、すぐに安らかな顔を見せて消えた。
これが所謂、浄化というものだ。
Aが振り返ると、呆気にとられた顔をした承太郎がこちらを見ていた。
頬を掻きながらAは口を開いた。
『あー.....大丈夫ですか?』
気の抜けた声に承太郎は脱力した。
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不登校の自殺志願者 - 次への扉 ページ50のとこで、「この優しい口調はっ!?まさかっ!?」ってなりました!!何て言うか、物語の進め方がすごいんですよね!すごく面白いです! (2019年3月10日 13時) (レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 雷獄丸さん» そうですか!そう言っていただけるとこちらとしても書きやすいです!!コメントありがとうございます! (2017年8月27日 20時) (レス) id: 8c44b8d3b9 (このIDを非表示/違反報告)
雷獄丸(プロフ) - 夏目友人帳くらいわかるよぉ!wもぉwこれからの頑張ってくださいねぇ!w (2017年8月14日 11時) (レス) id: bbb567e10b (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 黒蛇さん» コメントありがとうございます!雑鬼はわたしも大好きなのでどんどん絡ませていきます!可愛さが伝わって良かったです! (2017年8月11日 17時) (レス) id: 51648f87ce (このIDを非表示/違反報告)
黒蛇(プロフ) - 雑鬼が可愛すぎてやばいです!雑鬼との絡みをもっとお願いします! (2017年8月10日 20時) (レス) id: cc9de3dd63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魏杏妖遊 | 作成日時:2017年2月26日 20時