二十四話 ページ26
今日もまた、平凡に時が流れた。
花京院君という転校生が来たが、これといって目立った人ではなかった。
私のように他人と一戦引いているタイプの人だったのだ。
転校生に興味津々の男子や、整った顔に惹かれる女子を適当に流し、一人本を読んでいる。
それを察したクラスメートたちも、無理に花京院君に話しかけようとはしなかった。
何気に、うちのクラスはいい人たちが集まっている。
帰りの用意をする。
部活のある生徒達が元気よく教室から出ていく。
ふと、気配を感じた。
感じたことの無い気配だ。
妖でも霊でも、神様でもない。
ふと隣を見てみる。
視界に鮮やかな緑色が映った気がした。
宝石のような、美しい緑色が。
だが隣には花京院君しかいなかった。
見間違いかな...。
鞄を持って教室から出ようと歩き出した時。
私は腕を強く握られて止まった。
驚いて振り返ると、花京院君が睨みつけるように私を見下ろしていた。
「今、何か見えましたか。」
『...いえ、何も？』
何か、とは緑色の何かのことだろうか。
一瞬考えたが、それはないと考えを改めた。
ただでさえ異様な気配だったのに、花京院君が見えるはずがない。
そう思ったからだ。
花京院君は私の腕を離し、感情のない声で言った。
「そうですか。すみませんでしたね。」
何事もなかったかのように帰る準備をしだした。
私も何事もなかったかのように教室を出る。
花京院典明。
やはり彼から何かを感じる。
彼も私と〈同じ〉なんだろうか。
それに、凄く嫌な予感がする。
明日、いや今日か。
何か起こる気がする。
急いで家に帰ろう。
私はいつもよりはや足で家に向かった。
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不登校の自殺志願者 - 次への扉 ページ50のとこで、「この優しい口調はっ！？まさかっ！？」ってなりました！！何て言うか、物語の進め方がすごいんですよね！すごく面白いです！ (2019年3月10日 13時) (
レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 雷獄丸さん» そうですか！そう言っていただけるとこちらとしても書きやすいです！！コメントありがとうございます！ (2017年8月27日 20時) (レス) id: 8c44b8d3b9 (このIDを非表示/違反報告)
雷獄丸(プロフ) - 夏目友人帳くらいわかるよぉ！wもぉwこれからの頑張ってくださいねぇ！w (2017年8月14日 11時) (レス) id: bbb567e10b (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 黒蛇さん» コメントありがとうございます！雑鬼はわたしも大好きなのでどんどん絡ませていきます！可愛さが伝わって良かったです！ (2017年8月11日 17時) (レス) id: 51648f87ce (このIDを非表示/違反報告)
黒蛇(プロフ) - 雑鬼が可愛すぎてやばいです！雑鬼との絡みをもっとお願いします！ (2017年8月10日 20時) (レス) id: cc9de3dd63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魏杏妖遊 | 作成日時：2017年2月26日 20時
