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二十話 ページ22

ホリィside


「承太郎!」

「チッ、うるせぇぞアマ。」


不機嫌そうにこっちを見る承太郎。
私の愛しの息子。

そんな大切な息子が悪霊に憑かれたと知りいてもたってもいられなくなった私は、パパの言いつけを守らずに妖祓いの方に除霊を頼んだの。

まさかその妖祓いの方が承太郎のクラスメートだなんて、ビックリよね!

Aちゃんに貰った護符を取り出す。
承太郎もそれに気付き、少し驚いた表情を見せる。


「この護符、妖祓いの方に貰ったのよ。」

「妖祓い...?」


あら、承太郎は彼女が妖祓いだって知らないのかしら。

それでも見覚えがあるのか、護符をまじまじと見つめている。


「フフ、ほらこの間の娘よ。加持Aちゃん。」

「加持が?」

「ええそうよ。この前のお礼ですって。」


そう言って承太郎に渡す。
発動するのかしら。


「...どう、承太郎?」

「何がだ。」

「なんかこう、バチッとしなかった?」

「別に、なんともないが。」


承太郎が護符を見ながら答える。
どうやら発動していないらしい。


「承太郎、あのね。その護符は所持者の害となるものにしか発動しないんですって。だからもしかすると承太郎に憑いてるのは...」

「悪霊じゃあないって言いてえのか。」

「そういうことになるわね。」


承太郎はもう一度護符を見ると丁寧に折りたたんでポケットに入れた。
一応持っていてくれるようね。

するとベットに寝転んでこう言ってきた。


「コイツが悪霊であろうがなかろうが、正体がわからねえ限りここから出る気はないぜ。」

「....そう。」


承太郎はまだここから出てくれないのね。
どうしたら正体が掴めるの?
いつになるの?

本当に、大丈夫なの?

不安が募っていく。

こうなったら、もうパパに賭けるしかないわ。
パパの乗った飛行機はもうすぐ離陸するらしい。
着くのは明日になるかしら。

ああ、お願いパパ、承太郎を助けて!!

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不登校の自殺志願者 - 次への扉 ページ50のとこで、「この優しい口調はっ!?まさかっ!?」ってなりました!!何て言うか、物語の進め方がすごいんですよね!すごく面白いです! (2019年3月10日 13時) (レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 雷獄丸さん» そうですか!そう言っていただけるとこちらとしても書きやすいです!!コメントありがとうございます! (2017年8月27日 20時) (レス) id: 8c44b8d3b9 (このIDを非表示/違反報告)
雷獄丸(プロフ) - 夏目友人帳くらいわかるよぉ!wもぉwこれからの頑張ってくださいねぇ!w (2017年8月14日 11時) (レス) id: bbb567e10b (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 黒蛇さん» コメントありがとうございます!雑鬼はわたしも大好きなのでどんどん絡ませていきます!可愛さが伝わって良かったです! (2017年8月11日 17時) (レス) id: 51648f87ce (このIDを非表示/違反報告)
黒蛇(プロフ) - 雑鬼が可愛すぎてやばいです!雑鬼との絡みをもっとお願いします! (2017年8月10日 20時) (レス) id: cc9de3dd63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:魏杏妖遊 | 作成日時:2017年2月26日 20時

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