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一話 ページ3

承太郎side


「おい...」

『ごめんなさい』


そう言ってソイツは走り去った。

アイツは確か加持A。
俺と同じクラスのやつだ。

話したことなんてなかったし、むしろ初めて声を聞いた。


「Aったら、今日も不思議ちゃん全開ね。」

「何?『元々』って。元々腕が切れてるわけないじゃない。」

「まぁ仕方ないわ。だってAだもの。」


...アイツは不思議なやつだ。
クラスでもアイツのことを【不思議ちゃん】と呼ぶやつが多い。

だからといってそれがいじめに発展するわけでもなく、面白がって話しかけるやつもいない。


常に1人でいる。
そういう認識だった。


「.....。」


そんなアイツが怪我をしていた。

アイツが言う元々とは、『ぶつかってできた傷ではない』という意味だろう。

それは伝わった。
だが俺が気になるのはそこじゃない。


アイツの腕の傷が【鋭利な刃物で切られたような切り傷】だったということだ。


道に血が数滴落ちていた。


俺は無性に気になった。
無意識に踵を返して走っていた。

女共が驚いてついてきたが俺のスピードにはついてこれないだろう。


それより、アイツはどこに行ったんだ。


「...やれやれ、刑事コロンボなんて見るんじゃなかったぜ。」


走りながら呟いた。
空が朱色に染まりはじめている。



しばらくして、空と同じ色の鳥居が目に入った。

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不登校の自殺志願者 - 次への扉 ページ50のとこで、「この優しい口調はっ!?まさかっ!?」ってなりました!!何て言うか、物語の進め方がすごいんですよね!すごく面白いです! (2019年3月10日 13時) (レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 雷獄丸さん» そうですか!そう言っていただけるとこちらとしても書きやすいです!!コメントありがとうございます! (2017年8月27日 20時) (レス) id: 8c44b8d3b9 (このIDを非表示/違反報告)
雷獄丸(プロフ) - 夏目友人帳くらいわかるよぉ!wもぉwこれからの頑張ってくださいねぇ!w (2017年8月14日 11時) (レス) id: bbb567e10b (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 黒蛇さん» コメントありがとうございます!雑鬼はわたしも大好きなのでどんどん絡ませていきます!可愛さが伝わって良かったです! (2017年8月11日 17時) (レス) id: 51648f87ce (このIDを非表示/違反報告)
黒蛇(プロフ) - 雑鬼が可愛すぎてやばいです!雑鬼との絡みをもっとお願いします! (2017年8月10日 20時) (レス) id: cc9de3dd63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:魏杏妖遊 | 作成日時:2017年2月26日 20時

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