十八話 ページ20
これで仕事は済んだな、と鞄を持つ。
長居は無用だ。
もっといてもいいのよ、と優しく声をかけてくれる聖子さん。
甘えたくなってしまうのは、きっと彼女の母性を感じているからだろう。
しかし、甘えてはいけない。
いくら護符があるからといっても私といれば危険だ。
いえ、別の仕事があるので帰ります、と言った時。
そこで私は伝え忘れたことに気付く。
『それともうひとつ。』
「なあに?」
『その護符は所持者の害となるものにしか発動しません。もしも空条君に憑いてるものに結界を発動しなかったら、もしかするとそれは、悪霊ではないのかも知れません。』
「わかったわ。どうなったら発動したことになるの?」
『そうですね...空条君の周りでバチッと火花見たいな、電気見たいなものが見えたら発動したということになります。』
恐らく聖子さんに結界は見えないだろうから簡単に説明をする。
聖子さんは真剣に聞いてくれた。
それだけで、嬉しかった。
母さんがいたらこんな感じなのだろうな。
話しているうちに玄関まで着いてしまった。
ああ、もっと話したかった。
『それでは、失礼します。』
「ああ待って!!」
挨拶をして外に出た時、聖子さんが私を呼び止めた。
「まだ貴女の名前を聞いてないわ。」
『あ、本当だ。』
そういえば、名乗ってなかった。
名前も知らぬ相手にあんなに微笑みかけてくれるなんて、やはりこの人は聖母様なのかもしれない。
取り敢えず、名乗ろう。
私は振り返って聖子さんに微笑んだ。
『私はA、妖祓いの加持Aです。』
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不登校の自殺志願者 - 次への扉 ページ50のとこで、「この優しい口調はっ!?まさかっ!?」ってなりました!!何て言うか、物語の進め方がすごいんですよね!すごく面白いです! (2019年3月10日 13時) (レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 雷獄丸さん» そうですか!そう言っていただけるとこちらとしても書きやすいです!!コメントありがとうございます! (2017年8月27日 20時) (レス) id: 8c44b8d3b9 (このIDを非表示/違反報告)
雷獄丸(プロフ) - 夏目友人帳くらいわかるよぉ!wもぉwこれからの頑張ってくださいねぇ!w (2017年8月14日 11時) (レス) id: bbb567e10b (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 黒蛇さん» コメントありがとうございます!雑鬼はわたしも大好きなのでどんどん絡ませていきます!可愛さが伝わって良かったです! (2017年8月11日 17時) (レス) id: 51648f87ce (このIDを非表示/違反報告)
黒蛇(プロフ) - 雑鬼が可愛すぎてやばいです!雑鬼との絡みをもっとお願いします! (2017年8月10日 20時) (レス) id: cc9de3dd63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魏杏妖遊 | 作成日時:2017年2月26日 20時