十二話 ページ14
『空条君、今日はありがとうございました。』
「気にするこたあねえぜ。気まぐれだ。」
『それでは、また明日。』
「ああ。」
深々とお辞儀をしてから歩き出す。
空条君がまだ見ているので変に動くことはできない。
それにしても空条君、優しい人だったなあ。
思っていたよりも不良ではないような。
(...またお話できるかなあ、なんて。)
十字路を左に曲がる。
途端、後ろから身に覚えのある冷気が吹いてきた。
ま、まさか....。
少しだけ後ろを振り向く。
嫌な予感しかしない。
《ミィツケタアアアア》
『ッ!!しつこい...!!』
案の定、昼間の女だった。
迷うことなく地面をける。
小さい頃から妖から逃げていたために陸上部並に走れるようになったので、女との距離はすぐに開いた。
鞄の中から先ほど作った護符を取り出す。
この護符でアレを祓えるだろうか...。
でもやるしかないか。
頼む...!
後ろを向くと女が凄い速さで迫って来ている。
そんな女の額に向けて護符を放つ。
『東海神、西海神、南海神、北海神、四海の大神、千鬼を退け災禍を打ち祓いたまえ。』
護符が女の額に触れる。
『急々如律令!!!』
《アアアアアアアアアア!!!!!》
女の動きが止まった。
止まっただけで、祓えているかはわからない。
が、今は祓えていなくてもいい。
最優先なのは逃げることだ。
私はまた走り出した。
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不登校の自殺志願者 - 次への扉 ページ50のとこで、「この優しい口調はっ!?まさかっ!?」ってなりました!!何て言うか、物語の進め方がすごいんですよね!すごく面白いです! (2019年3月10日 13時) (レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 雷獄丸さん» そうですか!そう言っていただけるとこちらとしても書きやすいです!!コメントありがとうございます! (2017年8月27日 20時) (レス) id: 8c44b8d3b9 (このIDを非表示/違反報告)
雷獄丸(プロフ) - 夏目友人帳くらいわかるよぉ!wもぉwこれからの頑張ってくださいねぇ!w (2017年8月14日 11時) (レス) id: bbb567e10b (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 黒蛇さん» コメントありがとうございます!雑鬼はわたしも大好きなのでどんどん絡ませていきます!可愛さが伝わって良かったです! (2017年8月11日 17時) (レス) id: 51648f87ce (このIDを非表示/違反報告)
黒蛇(プロフ) - 雑鬼が可愛すぎてやばいです!雑鬼との絡みをもっとお願いします! (2017年8月10日 20時) (レス) id: cc9de3dd63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魏杏妖遊 | 作成日時:2017年2月26日 20時