怪異に纏わるetc. (ページ8)

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影の形に随うが如しページ8

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「翳」の続きのお話

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桃 side

「ごめん、泊めて」

そう言ってしげと神ちゃんが来たのはちょうど退勤しようとタイムカードを押そうとした時やった。

「別にええけど……」

この二人が家に来たことは何度もあるし、逆もよくある。

「……神ちゃん首のとこ赤くなってるけど、……どうしたん？」

そう指摘した瞬間に、神ちゃんの顔が強張る。

あ、これは。
昨夜送られてきたグループメールを思い出し、やってしまったと後悔。

状況は把握しきれてないけど、きっと言葉にしてはダメなものかもしれんし。

「……ごめん小瀧、後で詳しく説明するから」
「ううん、そういうもんもあるってわかってんのに聞いた俺も悪かったから」
「そんで泊りやねんけどな、あっちの方でええ？」

しげの言うあっちの方とは俺が別でもう一部屋借りてる方で、何度も怪奇現象に会うようになってから避難場所にしてる。

そこはもともと淳太に勧められたところで、いざとなれば駆け込めるお寺が近くにある。

借りてから年に数度しか使ったことのない部屋で、この部屋を使うということはそれだけやばいってこと。

そして、口に出してはいけないというのは、話すことによって、霊が寄ってきたりすることがあるということ。
これに関しては現状何度もやらかしてるから、今は特に気を付けてる。

「のんちゃん」

淳太に呼ばれていくと心配そうな顔。
言葉に選でも暗に何のことをさしてるのかわかるから、頷く。

最悪、なんかあればすぐに濵ちゃんに電話しなんて冗談交じりで言われる。
怪談とかそういうのが好きな人のもとには寄ってこないなんて言うもんな。