怪異に纏わるetc. (ページ7)

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翳ページ7

赤 side

「嫌や……。やめろって！！！」

叫び声に慌てて飛び起きる。心臓がバクバク言ってる音が聞こえるんちゃうってくらい鼓動が激しい。
時計は午前二時。

「神ちゃん？！」

冷や汗をかいて魘されてる神ちゃんを慌てて叩き起こす。

「はぁ……、しげ……？」

何度も揺すってようやく目を覚ました神ちゃんの顔は青ざめてて、目には涙が浮かんでる。

「また？」

俺がそう聞くと、ゆっくり頷く。
ふらっと倒れてきた体を抱きしめる。体めっちゃ冷えてる……。
ここ最近毎日のように魘されてる神ちゃん。本人に聞いても心当たりはなくて。

ここ連日続いてる悪夢に体力は限界で、何とかしたいけどどうしようもできひん。

「女の人がな、首絞めてくんねん。生きたかったって」

連日続いてる悪夢の内容。

「でな、今日はなぜか顔が上に上げれてん。……そしたらな、目から血を流して」

ヒュッと怪しくなる呼吸に話を止める。
そのまま、ゆっくりと背中をさする。

怖くて寝られなくなった神ちゃんにホットココアを作る。
そのまま夜明けまでのんびりお話したり神ちゃんの好きなゲームをしたり。

「明日仕事行く？」
「今忙しくて休めへんやん、行く」
「わかった、でも今日は寝れてへんから出勤は昼からにしてもらおう？」

そういうとしぶしぶうなずく神ちゃん。
時間的にまだ起きてるやついるやろと部署のグループメールに送る。
すぐに既読がついて淳太から了解と返ってくる。
それとあまり続くようならお祓い行きやとも返ってきた。

「眠たいん？」

ここ数日ろくに寝れてなかったからか、顔は眠そうで。
でも寝たくないんか必死に目を開けようとしてる。

「寝たらまたあの夢見るから嫌や」
「ん、神ちゃんが寝たい思うまで俺も起きてるからな」

最近は夜明け頃にようやく寝れることが多いけど、それでも仕事は休みたないから昼からの出勤に間に合うように起きるとどうしても睡眠時間は足りなくて。
体力的にも限界が来てるからそろそろ行動せなあかんと思うけど何もできんくて。

ほんまどうしたらいいんやろ。
気づいたら机に伏せて寝てた神ちゃんを布団に寝かせてそのままぎゅっと抱きしめた。