僕にもお返事くださいね ページ1
座敷童子 緑さん × 人間 青さん
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青 side
ドンドン、ドタドタと走り回る音が部屋中から聞こえる。
時刻は深夜2時。
友達とオンラインでゲームをしてそろそろ寝るかと通話を切ったタイミングで響くこの音にももう慣れた。
慣れたはずやったんやけど、数日前から酷くなったポルターガイストに若干の不眠気味で、授業中に寝てまう時間が増えた。
「なあ、神ちゃん静かにしてやあ」
そう言うと止まる足音。代わりに揺れる子供の頃好きやったアニメのフィギュア。静かになったけどそうじゃないんよなあ。
揺れるフィギュアをじっと見てると目の前ににゅっと出てくる少年の顔。
さすがに叫ぶことはなくなったけどこればっかりは何回やられても慣れない。
そんな俺を見てケラケラ笑う少年。
現在座敷童子と同じ部屋で生活してます。
両親曰く、家に座敷童子がいるのは何代も昔かららしい。
神様の子どもやから座敷童子のことを神ちゃんって呼んでるって言うのは幼い頃に聞いた。
座敷童子はよく子どもには見えて大人は見えへんみたいなこと言われてて、家でも両親は音は聞こえるけど見えてないらしい。
俺も小さい頃は見えとったけどだんだん大人になるにつれ見えへんくなってた。
はずやってんけど、何故か数ヶ月前からまた見えるようになった。それも今までよりも鮮明に。
「神ちゃん、寝るで」
そう言って布団に潜るとトテトテと可愛らしい足音を立てて一緒の布団に潜り込んでくる。
寝る前に少しだけ神ちゃんの話を聞くことも気付いたらルーティンになってた。意外とお喋りやねんなって気づいたのは最近。そうそう、今までと決定的に違うのは会話ができるようになったこと。
「りゅーせー、ずっとここにおるよな……?」
会話の最後にいつも神ちゃんはこういう。その問いに俺はずっと曖昧に笑って答えられへんままでいる。
その度に神ちゃんが悲しそうな寂しそうな顔をするのを見て見ぬふりをする。
答えられへんのはきっと、いつかはこの家を出ていくと自分で思ってるからかもしれない。
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作者名:詩彗 | 作成日時:2022年8月7日 22時