6話 ページ7
side？
｢主様…｣
まだ布団で寝息をたててる。
主様が存命出来る唯一の方法…
それが魂を喰う事。
でも、主様は喰事を嫌う。
｢俺と坊だけ残して逝かないで…｣
A『起きたら旦那様がお泣きになってるよ。』
見るといつの間にか目を覚ましていた。
A『坊は何処に。』
｢琥珀が相手しているよ。｣
ここに今、誰もいない。
｢誰もいないよ、主様…｣
主様は微笑んで
A『ヨイ。』
名を呼ぶ。
…
ヨイ。
俺の名前。
宵。
主様だけに教えた。
側近にも教えたことない。
主様だけが知ってる俺の名前。
A『私が寝てる間に散歩したのか。足に土産物をつけて。』
くっつく実が足に付いてた。
A『今日は何処まで？』
宵｢河川の近くまで。｣
A『おや、珍しいねぇ。』
散歩と言うより食糧を探しに。
琥珀｢主様、お目覚めになりましたか？｣
A『琥珀さん。ああ、良い目覚めだね。』
琥珀｢それは何よりです。｣
坊｢あー。｣
坊が主様に抱っこされたくて手を伸ばしてる…
A『おいで、私の可愛い坊。』
なんか来たな…
宵｢琥珀、何かやってきた。｣
琥珀｢畏まりました。｣
直ぐに戻って来た。
琥珀｢主様、貸本屋が見えました。｣
A『通してあげて。』
琥珀｢はっ。｣
貸本屋｢主様、失礼致します。｣
深々とお辞儀をして部屋に入る。
A『悪いね。本来であるなら私が店に出向くべきだろうけど。』
主様が外に出るのは夜市だけ。
周りは主様に畏敬する。
主様が素晴らしい方でそうするのは分かる。
でも、主様はそれが嫌い。
もっと近くに居たいと仰っていた。
あっとほーむ？な感じになりたいとか何とか。
貸本屋｢いえ。｣
表情を変えることなく話す貸本屋の蛟族。
A『琥珀、これを彼に返してくれ。』
琥珀｢はい。｣
坊｢あー｣
お腹空いたのかな？
貸本屋｢では、また。｣
A『琥珀さん。見送って差し上げて。』
琥珀｢はい。｣
帰って行った。
A『うん、本当に面白そうな本を見つけるのが上手いな。』
主様のお腹に耳を当てる。
A『聞こえるか？』
宵｢うん。｣
早く、会いたいな。
続く
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小夜子@元ペテン師(プロフ) - 栖夜さん» コメントありがとうございます。読んでくださり嬉しく思います。話口調の視点の場合は誰かはこの物語の都合上、内緒です。ハッキリ目線が分かるものはside〜と表記してます。今後もご愛読お願いします。 (2019年6月17日 20時) (
レス) id: 1fd9427035 (このIDを非表示/違反報告)
栖夜(プロフ) - とてもおもしろかったです。あの、すみません。これは、誰視点なのでしょうか？ (2019年6月17日 16時) (レス) id: b2beda4449 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ペテン師 | 作成日時：2018年8月31日 1時
