5話 ページ6
sideアカリ
変なお祭りに参加した翌日。
アカリ｢おはよー。｣
ソラ｢おはよ。｣
ヨウ｢…｣
ハツキ｢おはー。｣
みんなで学校に行く。
ﾁｬﾘﾝ
一瞬、鈴の音が耳で鳴る。
何だろう…風鈴？
時期はまだ早い気もする…
そう思ったのも束の間、
｢シシシッ…♪人間だ。｣
｢昨日の人間だ。｣
キョロキョロ見渡すと塀の上の猫がこちらを見てる…
｢ウソだろ！なんでオレたちって分かった！｣
｢さては術士か！｣
ヨウ｢…俺達、多分…あの妖怪達になんかされたんだ。見ろよ。｣
見覚えのある猫とか、
こちらをじーっと見つめるカラスとか、
気味が悪かった。
アカリ｢みんな！早く学校行こ！｣
くるりと振り返ると着物の男性が立っていた。
── ｢お前らが意識しただけ。俺も主様も何もしていない。｣
この人…！
── ｢主様は朝ずっと寝てる…寂しい寂しい。｣
寂しいとずっと呟いて、スっと消えた……
変な夢なら良いのに。
ハツキ｢アカリ！｣
アカリ｢ん？｣
いけない。授業に集中しなきゃ…
ハツキ｢アレは夢じゃないよ。｣
アカリ｢そうだよね…｣
なんで私達が妖怪の世界に行ったのか、分からないまま時間だけが過ぎていった。
帰り道。
アカリ｢…あれ、こんな所にこんな本屋さんあったかな…｣
今日はみんな委員会とか部活。
ソラとヨウはサッカー部で良いコンビ。
ハツキは美化委員でゴミ拾いだって。
アカリ｢ちょっと寄ってみよう…｣
見たことない本しかない…
｢…珍しい。ここにはどうやって入った。｣
店主さんかな？
どうやって入った……？
顔の右頬の部分が青い鱗の若い男が立っていた。
｢お前か、旦那様が仰っていた人間とやらは。｣
旦那様ってあの怖い人だよね…
｢ここは貸本屋だ。本が気になったら借りればいい。｣
レンタルって事か…
｢さて…主様にはどれがいいか…｣
あの大きな人にも貸すんだ…
尻尾はふわふわだったイメージがあるけど…
｢お前は昔から俺たち見たいな妖は見ていたのか？｣
へっ！？
アカリ｢え、嗚呼…まあ…｣
｢あまり関わらない方が良いぞ。俺は、捕獲対象外だから何もしないが。｣
ほ、捕獲対象！？
｢人間を喰らう者もいる。興味本位で。｣
興味本位で！？
｢主様は人間食べないが。｣
食べないんだ…
良かった。
｢旦那様は常に空腹だ。｣
あの人…私達を…？
｢精々、旦那様には目をつけられない事だな。｣
もう既に目をつけられてるとは言えない…
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小夜子@元ペテン師(プロフ) - 栖夜さん» コメントありがとうございます。読んでくださり嬉しく思います。話口調の視点の場合は誰かはこの物語の都合上、内緒です。ハッキリ目線が分かるものはside〜と表記してます。今後もご愛読お願いします。 (2019年6月17日 20時) (
レス) id: 1fd9427035 (このIDを非表示/違反報告)
栖夜(プロフ) - とてもおもしろかったです。あの、すみません。これは、誰視点なのでしょうか？ (2019年6月17日 16時) (レス) id: b2beda4449 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ペテン師 | 作成日時：2018年8月31日 1時
