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夏休みが明けて9月
始業式の前日、僕ははやくAに会いたくて眠れなかった。
そんな僕をAは笑って僕らしいなんて言うから少し拗ねてしまったけど。
もう学校が始まって3週間が経つ。9月になってからというもの、突然Aが1週間くらい学校を休んだのだ。
その後Aは普通に学校に通って、普通に僕と接している_その様子に僕は少し戸惑っていた。
どうして学校を休んだのか気になったし、心配だったから聞いたりもした。でもAは話をすり替えて、その話題を避けているようだった。
(気になるけど、聞けない)
そんなもどかしい気持ちが頭の中でぐるぐる回る。
そんなことを考えてると、もう昼休み。
(そういえば、今日お弁当持って来てないな)
仕方なく購買に寄ることにした。
_________
購買に寄った僕は、近道である校舎裏を通って教室に戻る途中にいつもは誰も居ない筈の場所にAが座っているのを見つけた。
僕には気が付いていないようで、じーっと地面を見つめている。そんな様子のAに声を掛けるか少し悩んだけど、僕は思い切って掛けてみることにした。
『ねぇ、A…?』
僕に声を掛けるとこっちに気がついたらしく、僕を見て驚いていた。
『急にごめんね。……あの、さ。先週どうして休んでたの?』
僕達以外誰も居ないのをいい事に、聞いてみることにした。
「…体調不良だよ」
Aはそう言いながら髪を片耳にかけて少し笑った。
__その笑顔は何故か、酷く嘘っぽくみえた。
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作者名:銀我一等星 | 作成日時:2016年8月25日 11時