日常 (ページ15)

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ﾕﾝｷﾞ「こいつはホント…人の気もしらねぇで…」

HS「アヤきょとんとしてるし。」

「絶対急に撮ったね。」

じゃないとこんなに至近距離で撮れないことをテヒョンは分かってる。
分かっててやってる。

ﾅﾑ「ここって言われても、料理すら写ってないし。」

ｸﾞｸ「お店の情報いっそ分かんないし。自慢したいだけですよ。」

ｼﾞﾐﾝ「ホント…あいつらしいね。」

ﾕﾝｷﾞ「だな。」

どんな優秀な写真家でも、きっと、これ以上に自然で、幸せそうなテヒョナを撮ることはできないだろう。

「うん。…本当に、幸せそうだね。」

ｸﾞｸ「はい。」

微笑ましいその写真を、そっとスマホに保存した。

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MC「さあ続きましてOSTスペシャルです。懐かしいあの名曲から今話題のあの曲まで！豪華な歌手たちが今夜限りのスペシャルステージを披露してくれます！」

そんなMCの言葉で始まり、数々のOSTをカバーやらオリジナルやらで歌う歌手。

『そろそろ準備お願いします！』

「はい。行こっか。」

アヤ「はい。」

紺色のドレスを着こなしているアヤは綺麗だった。

ﾃﾋｮﾝ「やっぱ暗譜したの？」

アヤ「もちろん。」

ﾃﾋｮﾝ「楽しみにしてる。」

アヤ「私も。」

向かい側では別のアーティストが曲を歌っていて、僕らは暗がりの中、ステージに立ち、準備をする。

「楽しもうね。」

ﾃﾋｮﾝ「はい。」

準備が完全にできたころ、向かいのステージの照明が消え、代わりにこちらのが着く。

観客は全員こっちを向いた。

すると、アヤの弾く、軽快で美しいピアノのメロディーが流れ出し、前奏で何の曲か分かったペンの子たちは一度歓声を上げた。

テヒョンにスポットライトが当たり、歌いだす。

ﾃﾋｮﾝ「ギシギシとヒビが入った僕の心に…」

僕のパートになり、ようやく光が当たる。

やっぱり彼女の伴奏は歌いやすい。

ﾃﾋｮﾝ「憎くて愛おしいこの恋君一人のために傷ついても止められない」

テヒョンはアヤの方を向いて、歌声を届ける。

その行動にペンは発狂。

もしここで、僕が普通に歌ってしまったら、テヒョンの行動はちょっと不味いかもしれない。

そこで急遽、僕も動く。

「君がいないと胸を貫通する涙…」

これが演出だと思われるように。

彼の本心がペンに伝わってしまわないように。

なんて世話の焼ける弟だ。

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