story3. ページ3
◇
『んー…そろそろ帰るよ。』
薄暗くなった窓の外を見ながら私は呟いた。
さとみ先生は、眠そうなまぶたを擦っている。
さとみ「…今何時ぃ?」
『7時40分。帰宅時刻過ぎちゃったよ。』
さとみ「そんな遅いのかよ。」
んん、と伸びをしてさとみ先生が立ち上がった。引き出しから鍵の束を取り出す。
さとみ「ほら、送ってくから。はよ行くぞ。」
『えぇ…いいよ。まだ仕事あるって言ってたじゃん。』
廊下の蛍光灯がチカチカと点滅する。
私が肩をすくめると、先生がずいっと近づいてくる。
耳に吐息がかかってくすぐったい。
さとみ「…ばーか。大事な生徒を一人で帰らせるかよ」
え……
さとみ「置いてくぞー。」
さっきまで近くにいた先生は、鍵を振り回しながらのんびり出口に向かっていた。
『…あ…ま、待って!』
・・・・・・・・・・・
さとみ「……でさー」
さっきの事が頭から離れない。
あれはさとみ先生なりのファンサービスなのか。
それとも、、、、
さとみ「…おい、だいじょぶか?」
『あ…うん、だいじょぶ。』
さとみ「そー?」
「何あったら言えよ。」と笑う先生が格好良ぎる。今先生にかっこいいと言ったら、困ってくれるだろうか。
『ここだよ、ありがとう。さとみ先生。』
さとみ「…お。ここなのかぁ…ふーん。」
『なにそれ』
さとみ「いや…学校からけっこー遠いじゃん。登下校、ひとりなんじゃねーの?」
『そうだけど、、、なんで?』
私が首を傾げると、先生が大きくため息を付いてスマホの画面を見せてくる。
私は、中央にデカデカと書かれた文字を読み上げた。
『…不審者…目撃情報……?』
さとみ「気をつけろよ。いかのおすしだからな。」
『……ありがとう……』
…街灯に照らされる先生の頬が赤くなっている気がする。
さとみ「…ん…ほら、家の人が待ってるだろ。心配するぞ。」
『…んふっ……ばいばい。また明日ね!』
私が両手を振ると、さとみ先生がさっき来た道を引き返して行った。
◇
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まき - 更新お疲れ様です!青くん…そして桃くんはそんな幸せなことを青くんに…🤦🏻♀️ 推しを愛でる日々ですよね( (2023年1月11日 22時) (レス) @page50 id: 1ffb1529af (このIDを非表示/違反報告)
ぽむさま。(プロフ) - まきさん» この黄くんは桃くんに冷たいですね笑🫣 それは大変ですね、推しを愛でましょうか笑 (2023年1月10日 17時) (レス) id: e3d1979fd3 (このIDを非表示/違反報告)
まき - 更新お疲れ様です!黄くんの「顔と声だけはいい」発言で思わず(笑)これからどうなるのか…! 周りに好きになれる人がいないんですけどね(笑) (2023年1月9日 22時) (レス) @page49 id: a38ae76ee4 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむさま。(プロフ) - まきさん» まきさん流石です…!ぶっ飛ばしましょう!!恋って良いですよね(?) (2023年1月9日 15時) (レス) id: e3d1979fd3 (このIDを非表示/違反報告)
まき - 更新お疲れ様です!気に入らないって言った女子飛ばしてきますね(こら こういう風に恋ができて羨まですよね… (2023年1月8日 23時) (レス) @page48 id: e9c3f819a9 (このIDを非表示/違反報告)
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