story17. ページ17
◇
その後、さとみ先生には「叔母さんが迎えに来てくれた」と嘘をついて、足早に教室を離れた。
そのときにはすっかり空は晴れていたが、どうしても先生に心配をかけたくなかった。
門に向かっていると、車から誰かが降りてきた。その人は全速力で駆けてくる。
…速いな…
そう思いながらすれ違う寸前。
??「ねぇねぇっ!Aだよねっ?」
『…え?』
背が低めな男の子に声をかけられた。相手は私を知っているようだが、どうも身に覚えがない。
『そうだけど…、ごめん。知り合いかな?』
私が言うと、彼は「えぇぇぇっ!?」と大きくリアクションをとった。どうもあざとく、わざとらしく見えるのは気のせいだろうか。
莉犬「俺!俺だよぉ!莉犬!!」
『…んー、莉犬?犬…?誰?』
莉犬「うわぁーん!A、覚えてないの?」
顔をずいっと近づけてくる。甘い香りが鼻先をくすぐった。
…なにか。知ってる匂いかも、、、
『覚えてないや…、ごめんね』
莉犬「そんなぁ…ショック、、」
そんな肩を落とす莉犬、という人を横目に、停まっている車に目をやる。
丁度、運転席からジェルさんが降りてきた。
ジェルさんは、お兄ちゃんの友達で、私が小さな頃からよく遊んでもらっていた。
ジェル「おぉ、A。大きくなったなぁ」
『ジェルさん…!お久しぶりです!』
ジェル「そうやなぁ、もう3年は会っとらんもんなぁ、、」
しみじみと言うジェルさんを押しのけて、私の目の前に立つ莉犬。むすっと怒ったような顔でジェルさんを見たかと思うと、急に抱きついてきた。
『ひゃっ…!?…え?』
莉犬「なんでジェルは覚えてて俺は覚えてないの」
ジェル「おーい、莉犬?なーくんに殺されるで?」
莉犬「うばぁっ!」
“なーくん”という単語を聞いた途端、形相を変えて私から離れてしまった。
…お兄ちゃん、怖いって有名だったもんなぁ…
莉犬「A、まじでごめんっ…悲しくてつい…。お願い、なーくんには言わないでぇ…」
『う、うん…分かったけど、』
◇
347人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まき - 更新お疲れ様です!青くん…そして桃くんはそんな幸せなことを青くんに…🤦🏻♀️ 推しを愛でる日々ですよね( (2023年1月11日 22時) (レス) @page50 id: 1ffb1529af (このIDを非表示/違反報告)
ぽむさま。(プロフ) - まきさん» この黄くんは桃くんに冷たいですね笑🫣 それは大変ですね、推しを愛でましょうか笑 (2023年1月10日 17時) (レス) id: e3d1979fd3 (このIDを非表示/違反報告)
まき - 更新お疲れ様です!黄くんの「顔と声だけはいい」発言で思わず(笑)これからどうなるのか…! 周りに好きになれる人がいないんですけどね(笑) (2023年1月9日 22時) (レス) @page49 id: a38ae76ee4 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむさま。(プロフ) - まきさん» まきさん流石です…!ぶっ飛ばしましょう!!恋って良いですよね(?) (2023年1月9日 15時) (レス) id: e3d1979fd3 (このIDを非表示/違反報告)
まき - 更新お疲れ様です!気に入らないって言った女子飛ばしてきますね(こら こういう風に恋ができて羨まですよね… (2023年1月8日 23時) (レス) @page48 id: e9c3f819a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ