教師×生徒って有りですか…？ 2. 【桃】

story54. ページ4

◇

ころんside


ころん「そんままの意味だけど。なに、国語苦手？笑」


僕はにっこり笑ってみせる。
今だに何を言っているのかが分からないようで、険しい顔をしながら、ただ僕を凝視していた。


…はっきり言わないと分かんないかな。
あんまりこういう事は言いたくないんだけど…しょうがないよね、？


ころん「A、お前らみたいなゴミ屑じゃないんだわ」

「…は、？ご、ゴミ屑…？私たちが？」

ころん「僕はそう言ったつもりだけど。なに、分かんない？」

「な、なんなのよ！急に…」



もう9月の中頃であるが、まだまだ暑い。
蝉は延々と鳴き続けている。



ころん「さとみに気に入ってもらえないからって、八つ当たりすんのやめろ」

「八つ当たり、、？違う！ほんとにおかしいでしょ！」

「そ、そうよ…。良いとこなんて何にもないのに、」

ころん「は？何言ってんの」



自分の事だったら、僕は聞き流していただろう。



なんでこんなに必死かって言うと…
前にも言ったけど、Aはさとみの大事な人だから。


僕がAの事、好きになっちゃったとかじゃない。


あの日、一目惚れしちゃったとか。




絶対にない、から。



ころん「逆になに？僕、お前らのいいとこなんて一個も見つけらんねぇんだけどさ」


心の奥にこみ上げて来るものを感じてしまった。
気付かないフリをしなくちゃいけなくて、言葉を繋げる。


ころん「ごめん、僕に分かるように教えてもらってもいい？」



僕がそう言うと、女子たちはキョロキョロと顔を見合わせる。
そして、何かを叫びながら走り去って行った。

何を言ったのかはさっぱり分からなかったけど、
そんなことはどうでも良かった。


なんで逃げんだよ、耳に届いた声は、自分で聞いてもだいぶ不機嫌だった。


Aの事、さとみのこと、るぅとくんのこと。
…莉犬くんは、今回言われてなかったけど。


僕にとって、みんな自分以上に大切な存在で。
褒められたいとか、そんなんじゃない。

ただ、幸せでいて欲しいから。



ころん「…教室帰ろ、、心配だなぁ」



・

Aside

昼休み。

ころん先輩が1年生の教室から出てきた。私は慌てて物陰に隠れる。
教室に忘れ物を取りに帰ろうとしていたら、とある1年教室からころん先輩の声が聞こえてきて……。

見てしまった。

私は、最初から全部見ていた。
自分やさとみくんたちが何を言われていたのかも、
ころん先輩が何を言ってくれたのかも、全部分かっていた。




◇

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