検索窓
今日:3 hit、昨日:15 hit、合計:97,507 hit

ページ30

抱きしめたことで安心したのか、さっきまでの言動が嘘だったかのように優しく、年相応のものになっていた。


莉犬「…んふふ。ねぇ、お姉ちゃん…あー、いや。A。俺、良いこと思いついちゃったんだよね」


『名前で呼ばれたの久しぶりな気がするなぁ。それで、何を思いついたの?』


私が尋ねてみると、良い考えでしょ?と言わんばかりの顔で、自信満々にこう言った。


莉犬「俺と、Aで同棲するの!」


『…え?同棲?……無理だよ』


突然頬に衝撃が走った。
ヒリヒリしていて、自分でも熱くなっているのがわかる。


『…え、り…莉犬?』


弱々しい声が漏れる。
どうやら私は莉犬に平手打ちをされたようだった。

痛い。

いくら弟といえど、相手は中学生の男子。
思ったより力は強い。更に、私たちは喧嘩をほとんどしたことが無いので、力加減ができなかったようだ。


莉犬「どうして駄目なの?」


私の様子など気にも留めず、何事も無かったかのように聞いてくる。顔には薄笑いを貼り付けて。


私はようやく理解した。この子に何を言ったって無駄だ。
とにかくこの場を乗り切らなければならない。
私はなるべく優しく、気を荒立ててしまわないようにと心がけながら口を開いた。

優しく、微笑んで。


『…お母さんとかに相談してからね。私は嫌じゃないんだけど、色々あるから』

莉犬「え?お母さんの許可があったらいいの?」

『うん、いいよ。許可があれば』

キラキラと目を輝かせる莉犬。

まぁ…私たちの両親が許すわけないんだけど。
っていうか、許す親がいるのだろうか?


莉犬「なら同棲できるねっ!A!」


莉犬は弾んだ声を出しながら、楽しそうに跳び跳ねる。


『え?』


驚きすぎて間の抜けた言葉が出てしまった。
この子は一体、何を言っているんだ?


莉犬「んふふ、楽しみだなぁ。Aと二人暮らしかぁ」

『ちょ、ちょっと待って!私、許可があったらって言ったよね?』

莉犬「もう取ってあるってば」


そう言うと、床に置いていたやけに大きな鞄を手に取り、中身を広げ始める。

教科書、着替え、ゲーム、お菓子、大きな肉塊が2つ。


莉犬「いやぁ。我ながら準備が良すぎてびっくりだよ。始末しといてよかった!」

『…なに、この荷物。それに始末って』

莉犬「え?だって今日から一緒に住むじゃん。必要かなって思ったもの、持って来といたの」

『…このお肉は?』

莉犬「あぁ、これ…?」

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)


←これからは一緒だよ。【莉犬くん】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (147 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
176人がお気に入り
設定タグ:ヤンデレ , すとぷり , 歌い手
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かふぇ - これもどたいぷです、 (2023年1月7日 2時) (レス) @page29 id: 4a60a6478f (このIDを非表示/違反報告)
ぺぺろんちーの - さいこ-でした (2022年8月10日 23時) (レス) @page5 id: 74bab87ee4 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむさま。(プロフ) - ぴろぴろさん» なんか占ツク開くの忘れちゃうんですよね…復帰しました!!お楽しみいただければ幸いです! (2022年3月20日 0時) (レス) id: 16ba4434e2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴろぴろ(プロフ) - 復帰?ありがとうございます! (2022年3月20日 0時) (レス) id: 05a4c37cfb (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃ @ すとリス - ヤンデレいいですね(( (2021年5月24日 17時) (レス) id: 6d29e416c1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぴゃぬさま | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年8月28日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。