俺だけのもの。 【さとみくん】 ページ23
Aside
私シングルマザーだった。前の夫とはDVが原因で別れた。今は、2歳の息子と0歳の娘と3人で暮らしていた。
毎日働きっぱなし、子供たちは両親に預けていて癒やされる暇もない。正直、疲れきってしまっていた。
『…もう、いいかな…』
降りている踏切の前に立った。
今、少し進むだけで楽になれるんだ。
両親と仲が良ければ良かったのかもしれない。
私の両親はいわゆる毒親で、小さい頃から怒鳴られたり、叩かれたり、蹴られたりと言ったことは日常茶飯事だった。
孫である息子達には甘いので、まだ良いのだが。
ゆっくりと歩を進めたとき、誰かに肩を掴まれた。
バランス崩して、そのまま後ろに倒れ……ない?
???「大丈夫ですかっ!」
体を支えられていたので、倒れずに済んだようだった。
その人は私よりも一回りくらい大きくて、暖かい人だった。ひさしぶりの人の温もりを感じて我にかえる。
『……ぁ、すみま…せん…』
???「…本当に良かった…、良かったです。」
大きく息をつくその人。心なしか、声が震えていた。
???「心配したんですから…」
『あ、の。離れても…いいですか』
私が聞くと、その人は焦ったように距離をとった。
その姿がとても不思議に見えて、思わず見つめてしまっていた。
???「…すみません、近かったですね」
困ったように笑う。顔を見てみると、凄く整っていていわゆるイケメンといった感じだった。
声も落ち着いているし、私より年上で間違いないと思う。
『…いえ、まぁ……近かった…ですね』
『…あの。お名前、聞いてもいいですか?』
???「…名乗るほどの者ではないんですが……えっと、さとみ、といいます。」
そう言ってさとみさんはぺこりと頭を下げた。私も慌てて礼をする。
『さとみさん、ですね…ほんとうにありがとうございました。あの、お礼させて頂けないでしょうか』
さとみ「…え、お礼…って。別に俺はなにも…」
『助けていただきました…危なかったです、』
さとみ「あー…じゃあ、連絡先交換しませんか?」
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かふぇ - これもどたいぷです、 (2023年1月7日 2時) (レス) @page29 id: 4a60a6478f (このIDを非表示/違反報告)
ぺぺろんちーの - さいこ-でした (2022年8月10日 23時) (レス) @page5 id: 74bab87ee4 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむさま。(プロフ) - ぴろぴろさん» なんか占ツク開くの忘れちゃうんですよね…復帰しました!!お楽しみいただければ幸いです! (2022年3月20日 0時) (レス) id: 16ba4434e2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴろぴろ(プロフ) - 復帰?ありがとうございます! (2022年3月20日 0時) (レス) id: 05a4c37cfb (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃ @ すとリス - ヤンデレいいですね(( (2021年5月24日 17時) (レス) id: 6d29e416c1 (このIDを非表示/違反報告)
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