ねぇ、愛して 【stpr】

無視はやめてよ。【莉犬くん】 ページ12

『あ、莉犬くん。』

莉犬「あっ、、えっ…な、なぁに?」

『委員会の事なんだけど…ちょっといい?』

莉犬「あ…うん。分かった。」


この子は莉犬くん。私と同じクラスの男の子で同じ委員会の子。


『…ってことだから、お願いね。』

莉犬「えっと…えっと、、、うん。」


莉犬くんは、いつも無口だった。と言うより、話す人がいないんだと思う。

女子にモテるから男子には妬まれているし、女子は莉犬くんと話す勇気が無いため自然と一人になってしまったようだった。
そんな莉犬くんと話す機会がある私も、女子からは嫌われているが。


高橋「ちょっと、Aさん?」

『あ…高橋さん、、』

高橋「また、莉犬くんと話してたよね?」

『…同じ委員会だし……』

高橋「はぁ…もう、やめてね。」


私は悪くない気がするが、とりあえず謝っておく。これ以上この女の機嫌を損ねても、得は無いだろう。


・・・・・・・・・・

女子からの小言がエスカレートしていき、遂には上履きの中に画鋲を入れられる始末。
こんな事が本当にあるのか、と最初の方は関心していたが気が小さいので、さすがに限界だった。

“莉犬くんと話さないで。”

それを守れば辞めてもらえるかもしれない。


『……』


前よりもだいぶ仲良くなり、話しかけてくれるようになった莉犬くんを無視するのは心が痛む。


莉犬「ね、ねぇ……?Aちゃん、、、?」




莉犬「……あ…怒ってる…の?」


『……』



…自分勝手で、ごめんね。



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