# beautiful object

優しい微笑みと噴水と ページ18

あれから色んな場所を巡っては被写体としてカメラに収めた佐野さん









玲於「夜はどうしようか」





『さっきホテルの中庭に噴水があったんです。そこ小さくライトアップもされるみたいで………凄く素敵でした』





玲於「じゃあ、行ってみようか」





『いいんですか？』




玲於「君の行きたい所ならどこでも」







いつもならやめて下さいって交わすけど今夜はそんな事できなくてただ佐野さんの手に引かれることにした








着いた中庭はさっき見た以上に考えていた以上に完璧なもので




しばらく繋がれた手とこの空間を感じていた







自然に離れた佐野さんは徐ろにカメラを取り出してあたしに指示をした







玲於「そこ座って。そう、そこ」








座らせるだけで何もしない佐野さんに痺れを切らして噴水の中を覗いてみる







風に散らされた中庭の花がたくさん浮いていて絵画の一部を切り取ったみたい









幻想的すぎだよ









花びらを手に取ってみるとそれも小さくて儚くて自然に微笑むとシャッターを切る音がした







驚いて音がした方を見ると佐野さんが何とも言えない優しい表情でこっちを見ていた







玲於「世界には何でこんなに美しいものがあるんだろうね。僕はこれを撮るために生まれてきたんだ」





『綺麗ですよね、この噴水もこの花も』





玲於「綺麗なのは噴水や花だけじゃない。A、君だよ」





『え』





玲於「僕がこの世で1番愛おしく思うのも、美しいと思うのも、守りたいと思うのも全て君だけだよ」







優しく微笑んで言うからあたしの心臓はこれでもかってほど加速して破裂寸前













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玲於「すきだよ、A」

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