5 ページ5
それからしばらく他愛のない話をした後、新八と神楽も買い物から帰って来た。
そして、せっかくだからとご飯も食べて行くことになり、気付けば日は完全に暮れていた。
泊まって来ようかな〜って晋助に言ってあるし大丈夫だろうけど。
A「そろそろ帰ろうかな。皆心配してるかもしれないし。」
帰ろうと言いながらAが立ち上がる。
新八と神楽は少し寂しそうにしながら引き留めはしなかった。
銀時「次の帰宅はいつだ?不良娘。」
彼女と初めて会った時から今までずっと、妹の様な存在だった。
家族と言う括りに血の繋がりは関係ないと気付けたのはAのおかげだ。
たとえそれが高杉の嫁になって居たとしても、Aは大事な家族であることに変わりは無い。
A「またその内、気が向いたら帰って来るよ。」
そう言って、彼女は嬉しそうに笑った。
銀時「じゃあな。気ぃ付けて帰れよ。」
3人と1匹で玄関まで見送りに来てくれた。
A「うん、ありがとう。」
少し名残惜しい感じもするけど、これ以上は本当に泊まって行かないといけなくなる。
新八と神楽と定春は明らかに寂しそうな表情。
余り顔には出さないが銀時も寂しそうだった。
A「銀時。これから先、アイツと銀時が本気でやり合う事になっても…それでアイツが斬られたとしても、私は銀時のこと大事な家族だと思ってるからね。」
銀時の寂しそうな顔を見て、今言っておかなければと思った。
江戸を火の海にして更地にするつもりの過激派攘夷志士、高杉晋助。
自分の大切なものを守る為なら誰相手でも刀を向けられる、坂田銀時。
そう遠ない未来にきっと二人は大きく対立するだろう。
どっちが勝とうが負けようが、種類は違えど二人とも私にとっては大事な人だから。
A「1発ぶん殴るかもしれないけど、憎みはしないって断言出来るから。迷わず銀時は銀時の道を進んでね。」
私がニッと笑って見せると銀時も笑った。
銀時「んなこたぁ言われなくなってそうするさ。じゃあな。」
3人と1匹に手を振って万事屋を後にした。
新八「銀さん!もっと他に言うことあるでしょう!?素っ気なさすぎです!」
神楽「そうネ!ここはAの帰って来ていい場所アル!いつでも帰ってくるヨロシ。とかちゃんと言えヨ。」
銀時「うるせぇな。いーんだよ。そんなの言わなくなって湯呑み置いてある時点であいつには伝わってんだからよ。」
階段を降りながらそんな3人の会話が聞こえてきて、嬉しかった。
74人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:土方朱璃 | 作成日時:2024年3月16日 11時