君と見る桜をもう一度… (ページ6)

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り「しょうくん、あのね！あのね！」

奨「りっちゃん！どーした？」

取材をした子の1人

白血病と闘う5歳の女の子、

広瀬りかちゃん。

ここでの入院は長いようで

看護師さんや入院してる子達から

りっちゃんと呼ばれて愛されてると話を聞いた。

り「はい！これあげる！！」

帰ってきた純喜と共に渡されたのは

色とりどりの折り紙が貼られた色紙

子供らしい字で「ありがとう」と書かれていた。

純「あかんやん、こんなん…しかも水色やし…」

あー！純喜くんまた泣いてる！と

子供たちがケラケラ笑う。

奨「このお兄さんね、すぐ泣いちゃうんだよ」

｢あー！よわむしー！｣

「注射できないんだーじゅんきくん！｣

部屋は純喜と子供たちの声で溢れた。

り「緑のお花、できなかったから
しょうくんだけ、さくらになっちゃったの…」

服をピンピンと引っ張られて床に膝をつけば

りっちゃんが申し訳なさそうにそう話してくれた。

奨「なんでそんな顔するの！(笑)｣

「すごく嬉しい、ありがとうね」

帽子越しに撫でた頭は

やっぱり髪の毛でふわりとなんかしなくて

改めて病と闘うということの本当の意味を思い知らされる。