君と見る桜をもう一度… (ページ29)

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『ごめん…ごめん…ね、しょう…くん』

途切れ途切れにそう、言葉を放った（人1）の目から涙がこぼれ落ちる。

肩を上下に呼吸し始めた（人1）に、

また、この3日間のような恐怖を覚えて

静かに酸素マスクを上にあげた。

何かを訴えるように俺を力強く見つめる（人1）

両目から涙を溢れさせて口を開いた。

『1年…前…大きな病気をしたの…』

『家を出た…2…3ヶ月くらい前…

階段登るだけで…倒れそうに…なったり

微熱が…続いたり…立ちくらみが増えた』

苦しそうに話す（人1）の肩をさする。

さすってる…けど

鼻がツンとしてきて泣きそうになる。

『大丈夫…疲れてるだけ…って

最初は…そう思ってたの…』

『だけど段々…それだけじゃ…

言い訳が出来なくなってきて…』

『家を出る…2週間…くらい前…

職場で倒れて…気がついたらここだった…』

奨『っ…うんっ…』

ついに、涙が堪えきれなくなる。

だって…話を聞けば聞くほど

1年前の俺が、どれだけ（人1）の異変に気づけなかったかが身に染みて分かるから。

『病気だ…って言われて…

名前聞いても…知らないようなやつで…

早く入院してください…って言われて…

頭が真っ白になった…』

『だけど…』

（人1）は震える手で俺の服の袖を掴む。

俺の目からこぼれおちた涙が（人1）の腕に落ちた。